マーク金井blog

2018年01月23日超私的な考察 打点が左右に外れた時、なぜロボットと人間とでは違う結果になるのか!?

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昨日の関東エリアは記録的な大雪。アナライズの地元、神田も夜には雪国と見間違うぐらい雪が積もりました。首都圏では首都高が至る所で通行止めになり、電車も大幅に遅れ、加えて空の便もほとんどが欠航になってしまいました。

 

 

さて、今週はいよいよPGAマーチャンダイジングショーが開幕します。フロリダ州オーランドのコンベンションセンターで開催されますが、ここに国内外のクラブメーカー、アパレルメーカー、そして練習器具やゴルフに関連する会社がこぞって出店します。今年、その数は1100を超えるみたいです。日本のゴルフフェアと違って一般の人は入れませんが、PGAショーには世界中のゴルフ業界人が集まります。

 

 

PGAショーで目立つのは大手クラブメーカーのブースです。ブースの面積が非常に大きいですしデコレーションも派手だからです。ネットで調べてみたら、今回もテーラーメイドキャロウェイタイトリストのブースは面積が広くて目立つ場所に位置しています。

 

すでに米国メーカーは新製品を記者発表してますが、超私的に一番インパクトが強かったのはテーラーメイドの「ツイストフェース」。日本の記者発表では巨大なねじれたフェースがディスプレイされてましたが、恐らく、PGAショーでもこれと同じか、さらに巨大な「ツイストフェース」が展示されると思います。ねじれたフェースはビジュアルインパクトが強いですし、革新的なイメージをゴルファーに感じさせてくれるからです。

 

 さて、このツイストフェース。

 

フェースのトウ側は通常よりも右を向き、かつロフトが増えるようにねじれています。対して、フェースのヒール側は通常よりも左を向き、かつロフトが減るようにねじれています。こういう風にねじることで、ゴルファーの左右の曲がりを軽減させることができるとメーカー側はアピールしています。

 

ツイストフェースを採用する上で、テーラーメイドが分析したのは。ゴルファーの打点位置のばらつきとロボットと人間が打った時の弾道の違いについてです。打点位置においては、ゴルファーは芯を外した時、「ヒールの下側とトウの上側に偏りやすい」という結果が出ているとテーラーメイドは分析しています。この結果については、かつてキャロウェイも同じ分析結果を出していました。打点位置が斜めにズレるのは、恐らくシャフトのトウダウンが少なからず影響しているのだと思います。

 

 

 次に、テーラーメイドは打点位置が左右にブレた時、ロボット(スイングロボット)と人間とでは違う結果になったとコメントしてます。

 

ここ130年間、(パーシモン時代から)ドライバーはバルジとロールというテクノロジーを利用して曲がりを補正してきた。エンジニアは当然これを研究してきたが、バルジとロールがあるものは、我々がR&Dで使うテストロボットが打てば真っすぐ飛ぶ。いわば、テストロボットのために設計されていたと言っていい。ところが、人間では同じ結果にならない。バルジとロール以上に球が曲がってしまう。
(米国CEOデイビッド・エイプルズ氏、日本での記者発表時でのコメント)

 

これがツイストフェースを生み出すことのきっかけになったそうですが、では、なぜロボットと人間では、打点が左右に外れた時にボールの飛び方が変わってしまうのか?

 

この文言だけだと、「ロボットよりも人間の方がスイングが悪いから左右に曲がる度合いが大きい」と受け取られかねません。

 

しかしながらロボットのスイングと人間のスイングとでは根本的にやっていることが違うことを理解しておく必要があります。それは、、、、、、

 

 

 ロボットはスイングが一定なので、アドレス時のボール位置をわざと変えることで打点位置を左右に外しています。対して、人間の方はというとボール位置が同じで、スイングの仕方が変わることで打点位置が左右に外れるのです。

 

意図しているのかどうか分りませんが、テーラーメイドはこの点についてはアナウンスがなされていませんでした。

 

大事な事なので繰り返します。ロボットは意図的にスイングを変えることができないので、球位置を変えることで打点位置を変えます。対して、人間は球位置が同じで、スイングの仕方が変わることで打点位置が変わってしまうのです。やっていることがまったく違うわけですから、ボールの飛び方が変わってしまうことは致し方ないのです。

 

ゴルフは物理ですが、今の所、スイングロボットは人間のように球位置が同じで打点位置を変えるなんて器用なことはできません。今回、テーラーメイドヒューマンテストの結果からフィードバックをしたクラブ作りをしています。これはデータ収集に時間がかかって非常に面倒ですが、非常に理に叶っていると思います~。

 

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カテゴリー ゴルフクラブ分析, 新製品情報, 超私的な考察

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