あっという間に5月も終わって今日から6月。プロ野球も交流戦が始まり、一気に夏めいてきました。ほんの1ヶ月前まではスノボをやってにも関わらず、今では毎日半ズボンで薄暮ゴルフにいそしんでいます。昨日も赤羽ゴルフ倶楽部で午後4時ぐらいから9ホール、サクッとプレーしてきました。
赤羽の薄暮は担ぎセルフ、バッグに入るクラブ7本前後。超軽量バッグ(ピンのムーンライト)を右肩に担ぎ、左手には目土袋というスタイルでプレーしています。ゴルフ場の芝は青々(実際は深緑)していますが、アイアンショットを打つとターフ(芝)が飛んでディボット跡が残ります。そこに目土を入れるのがルーティーンになっていますが、ディボット跡を観察すると、スイングの善し悪し、クラブのセッティングの善し悪しを正確にチェックできます。
ディボット跡の方向をチェックすると、ヘッド軌道が正確に分かる。
ディボット後の幅をチェックすると、ライ角が合っているかどうか分かる。
目土袋を持っていると、自分のディボット跡だけでなく、自分以外のディボット跡にも目土がしたくなってきます。そして仕事柄、他の人のディボット跡の形もついつい観てしまいますが、気になるのがディボット跡の形。正しいライ角のアイアンを使っていれば、ディボット跡の幅はアイアンのソール幅ぐらいになります。しかしながら、そんなディボット跡ばかりではありません。ソール幅よりも狭い(細い)ディボット跡を数多く見かけてしまいます。
ソール幅よりも狭い(細い)ディボット跡がコースに残る理由、それはゴルファーが不適正なライ角のアイアンを使っているからに他なりません。ゴルフ界にもいろんなデータが集計されますが、ゴルファーのディボット跡に目土している限り、アイアンのライ角が合っていないゴルファーの数はかなりのもの。体感的には5割前後のアマチュアゴルファーは、ライ角が合っていないアイアンを使っていると思います。
さて、このアイアンのライ角度。
ライ角とはシャフト軸線とソールとがおりなす角度のことです。インパクト時にソールがべったり地面と接地するのが適正ライ角。インパクト時にソールのヒール側が浮いたり、ソールのトウ側が浮いてしまうのは不適正なライ角です。不適正なライ角のアイアンでプレーすると、インパクト時にソールが地面と接する面積が少なくなるため、必然的にディボット跡は狭く(細く)なってしまいます。
ディボット跡が狭く(細く)てもナイスショットは打てます。しかしながら、クラブの性能を100%引出すことは難しくなりますし、スイングにも少なからず悪い影響を与える可能性が高まります。何故かと言うと、アイアンは適正ライ角で打つことを前提にデザイン(設計)されているからです。また、不適正なライ角の(ターフ跡が細くなる)アイアンを使っていると、スイングでなんらかの調整(補正)をかけないと、ターゲットに対して真っ直ぐ打つのが難しくなるからです。
例えば、インパクトでヒールが浮いてしまうライ角のアイアンを使っていると、インパクトでトウ側が接地するために、打点位置もトウ側に偏りやすくなります。また、インパクトでヒール側が浮くアイアンだと、フェースをスクエアに戻した時、打球面はターゲットよりも右を向きます。結果、左に少し引っかけるようなスイングをした時、ボールは狙った方向に飛ぶようになります。
要するに、ライ角が不適正なアイアンを使うとくことは、損することはあっても得することはほとんどないのです!!!!
ライ角を自分に合わせるというのは、サイズがピッタリ合った靴を履き、サイズがちょうどいい服を着るのと同じです。
ちなみに靴や服においては、サイズが合わないモノをずっと着用していると、サイズが合わないという自覚がなくなり、「これがちょうどいいサイズ」になって違和感がなくなります。ゴルフもしかりで、ライ角が不適正なアイアンをずっと長く使っていると違和感は生じませんし、狙った方向にボールを打てるようにもなります。しかしながら、ライ角が不適正なアイアンを使えば、ディボット跡は狭い(細い)ままでカッコ悪いですし、クラブの性能を引き出しづらくなるのも事実です。
そして、困ったことがもうひとつあります。不適正なライ角のアイアンを長く使っているゴルファーが、ライ角調整して適正ライ角のアイアンを使うと、調整直後はボールが真っ直ぐ飛びづらくなるのです。前述したように、インパクトでヒールが浮くアイアン(ライ角がフラットな状態のアイアン)を長く使っている人の場合、インパクトでソールがべったり付くアイアンを使うと、最初の内は「いい感じで打った時」、ボールが狙いよりも左に飛んだり、引っかけのミスが出やすくなるのです。なぜなら、ライ角は調整しても、スイングは以前のままだからです。
ライ角調整するとクラブの性能を100%引き出しやすくなりますが、反面、不適正なライ角のアイアンを長く使っている人にとっては、ライ角調整後にボールが真っ直ぐ飛ばない場合が少なからずあります。これはライ角調整のデメリットでもあるのですが、このデメリットは避けられません。なぜなら、真っ直ぐ飛ばすのが難しいアイアンで真っ直ぐ飛ばす練習を何年もしていたからです。
スイングは道具(クラブ)によって変わります。
ライ角は「上手くなってから合わせる」と考えている人もいますが、それでは真っ直ぐ飛ばないアイアンで真っ直ぐ飛ばす練習をする危険もあるのです。自分のサイズに合った靴を履くことと、自分のスイングに合ったライ角をアイアンを使うことは同じことです。
アナライズではライ角フィッティングを随時行なっています。クラブメーカーのピンもフィッティングでは必ずライ角チェックを行なってます。本当の上達を目指しているならば、ボールをたくさん打つ前に、自分の適性ライ角をチェックすることをオススメします~。
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