例年同様、今年のマスターズも数々のドラマが繰り広げられました。3日目を終えて優勝争いを演じたのは、
-6 S・ガルシア、J・ローズ
-5 R・ファウラー
-4 J・スピース、R・ムーア、C・ホフマン
-3 A・スコット
-2 C・シュワルツェル
-1 L・ウエストウッド、T・ピータース
±0 R・マキロイ他
サンデーバックナインは手に汗握る展開になっていると思いましたが、12番ホールからはガルシアとローズの一騎打ち。12番でピンチをしのいだガルシアが、15番のイーグルで完全い息を吹き返しました。ガルシアが16番で短いバーディパットを外した時は、「またもメジャーに手が届かないのか?」とも思いましたが、続く17番でローズがセカンドをバンカーに入れてボギー。18番では2人ともバーディパットを外してプレーオフに突入。
プレーオフの1ホール目にティショットを右の林に打ち込んだローズは万事休す。バーディパットを沈めたガルシアが74回目のメジャー挑戦で、グリーンジャケットに袖を通しました。
日本から出場した、残念ながら松山英樹選手は、パットの不調で優勝争い加わることができませんでした。バーディチャンスに何度も付けながらパットはカップの縁を通過することが多かったですし、極めつけは3日目の最終ホール。2オンしたにもかかわらず4パットでダボを叩いています。最終日は67の好スコアをマークしてますが、それでも惜しいパットを何度も外しています。
マスターズが開催されるオーガスタのグリーンは、超高速グリーンとして知られています。そしてポテトチップスのような凸凹があり、平坦なラインのパットはほとんどありません。このため、いいストロークをしても距離感と方向(ライン)が合致していないと、ボールはカップに吸い込まれないのです。
我々アマチュアがプレーするコースはここまで速くて難しいグリーンはありませんが、最近は高速グリーンが増えています。グリーンのアンジュレーションが強いゴルフ場も増えています。
そこで今回は、素朴な疑問として速いグリーンと遅いグリーンの違いについて超私的に書いてみたいと思います。
一般的には遅いグリーンよりも速いグリーンの方が、「グリーンの状態が良い」というのが定説で、一般的には遅いグリーンよりも速いグリーンの方が好きなアマチュアゴルファーが多いです。グリーが遅いと「面白くない」なんてボヤく人もいたりします。速い、遅いというのはかなり抽象的なので、スティンプメーターで区分けしましょう。速いグリーンは11フィート以上。遅いグリーンは8フィート以下です。
速いグリーンのメリットは強く打たなくても転がりますが、反面、距離感を間違うと、大ショートしたり、大オーバーが出ます。例えば、1メートルの距離でも2メートル以上オーバーなんてことも珍しくありません。対して、遅いグリーンは強く打たないとショートしますが、距離感を間違えるミスは高速グリーンほどは出ません。1メートルの距離でカップに届かないミスは出ますが、インパクトでパンチが入っても2メートル以上オーバーするなんてことにはならないです。どちらのグリーンも3パットは出ますが、グリーンが速くなるほど4パットする確率が高くなり、グリーンが遅くなるほど4パットする確率は低くなります。
・では、なぜ速いグリーンは4パットしやすいのか?
・では、なぜ速いグリーンは距離感を合わせるのが難しいのか?
速いグリーンはなぜ難しいのかというと、グリーンが速くなればなるほどボールが止りづらくなること、決めた場所(決めた距離)にボールを止めるのに高い精度が求められるからです。そして、グリーンが速くなればなるほど傾斜の影響を強く受けます。グリーンが速くなるほど、上りと下りのタッチ(距離感)のギャップが大きくなるのです。また、左右の傾斜に対しては、グリーンが速くなるほど、フックライン、スライスラインで曲がる度合いが大きくなるのです。
ちなみにグリーンが遅くなるほど、上りと下りの差は大きくなりづらいですし、左右に曲がる度合いも大きくなりづらいのです。遅いグリーンは入らないとか、距離感が出ないと思っている人が少なからずいますが、それは遅さに慣れていないだけのこと。遅さに慣れてしまえば、速いグリーンよりも遅いグリーンの方がボールが止りやすい分だけ、距離感の誤差のミスに対して寛容になることが分ってきます。
高速グリーンというのは、平坦なラインでも下り傾斜のパットを打つのと同じ感じです。
オーバーを恐れてインパクトが緩めば大ショートし、パンチが入れば2メートル以上簡単にオーバーします。加えて、高速グリーンで下り傾斜ともなれば、ボールがいったん転がり出したら、途中から傾斜の影響で加速し、グリーンの外に出ます。オーガスタのグリーンはそんなところばかりですから、世界の一流どころでも大ショートしたり、大オーバーのミスが簡単に出てしまうのです。
大事なことなので繰り返しますが、高速グリーンはボールの転がりにブレーキを掛ける要素が少なく、その結果、ボールが止りづらくなるから距離感を合わせるのが難しくなります。傾斜がかかるラインでは、インパクトの強さが少し変わっただけで左右に曲がる度合いが変わってくるから、タッチが合っていないと3パットだけでなく、4パットも出やすくなるのです~。
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