昨年の六甲国際に続き、今年も日本オープン会場である狭山GCに水曜日から毎日足を運んでいます。六甲国際は適度なアップダウンがある丘陵コースでしたが、狭山は典型的な林間コース。高低差はほとんありません。春にプレーした時は、「今までの日本オープンで一番易しいコース」なんて思ったりもしましたが、これは完全な早とちり。
練習日にコースに着いてみると、半年間でコースは劇的な変貌を遂げてます。日本オープンですからラフが深いのは想定内ですが、真っ直ぐなホールでもフェアウェイは真っ直ぐではありません。フェアウェイは波打つようにカットされ、コーラの瓶のような感じで絞り込まれています。このため、フェアウェイの幅が広いところと狭いところがあり、いいショットを打ってもキックが悪かったりすると、ボールは深いラフの餌食になります。
そして、厄介なのがグリーン。狭山は2グリーンのコースなのでグリーンはそれほど大きくありません。傾斜もポテトチップのようなうねりは少ないですが、とにかく速い。スティンプメーターで11フィートを超えてくると高速グリーンになりますが、今回の日本オープンでは、
1日目 13フィート
2日目 13.5フィート
3日目 13.5フィート
11フィートを超えてくると平らなラインでも下りのような感じで、止まり際にするすると転がります。13フィートになるとそれがさらに、、
止まりかけてから1メートルくらい惰性で転がります。
3日目、16番パー3で松山秀樹選手がワンオンして3パットボギーを打ちましたが、この時のファーストパットがまさに止まらないライン。ピンは手前12y、右5y。グリーン中央に乗ると、ジェットコースターのような感じで下っていきます。松山選手はこのホールで1オン3パットしてますが、ファーストパットはグリーン右からの下りのライン。カップ手前1mぐらいで止まる感じでしたが、止まりそうになってから再び転がりの勢いが出て、グリーンエッジまで行きました。すぐそばで観てましたが、止まりようのないラインでした。
それでも松山選手は3日目にベストスコア65をマークして、通算4アンダーでホールアウト。3日目を終えた時点でトップに立っています。3日目を終えて上位陣は、
-4 松山英樹
-3 池田勇太 李京勲
-2 片山晋呉
-1 H.W.リュー
±0 小平智
+1 矢野東
+2 金享成
+3 石川遼 比嘉一貴 黄重坤 C.キム
この原稿は最終日がスタートする前に書いてます。日本オープンは優勝スコアをイーブンパーに設定することを考えると、最終日のピン位置はかなりシビアになることが予想されます。+3ぐらいの選手までに優勝のチャンスはあると思いますが、恐らく、優勝スコアは、、、
4~5アンダーぐらいでしょう。
では、優勝するために何が求められるのか?
これまでも書きましたが、ラフが深い日本オープンではティショットでフェアウェイをキープすること。ティショットを曲げてしまうといくら飛んでもアドバンテージはありません。上手く脱出できてもグリーンにボールが止まらないからです。
他の要素としては、超私的に言わせてもらうと、、、
ピンを狙わない勇気
10m以上のロングパットの距離感
この2つをいかに上手くクリアできるかが、勝敗の分かれ目になるでしょう。3日目のピンポジションを調べてみると、18ホール中12ホールは、ピン位置がグリーンの端から5ヤード以内。こういうシビアなピン位置に対して攻めると手痛いしっぺ返しがあります。グリーンから少しこぼれたラフが一番深く、これがとても厄介だからっです。安全策というと消極的に思うかもしれませんが、グリーンを何度も外してパーパットを打っていると、やがてどこかでメンタルエネルギーが尽きてしまいます。
ロングパットの距離感もしかり。超高速グリーンは距離感が難しいですが、日本オープンで勝つには3パットをできるだけしないこと。10m以上の距離から50センチ以内に寄せることが数多くできれば、ボギーを叩くリスクが減るだけでなくメンタルエネルギーの浪費を防げます。
全米オープンを意識しているのでしょう。ここ20年ぐらいの日本オープンは全米オープンのような「我慢比べ」をさせるコースセッティングになっています。我慢比べするためには、メンタルの強さが求められますが、メンタルのエネルギーは無尽蔵にあるわけではありません。
日本オープンに優勝するにはスーパーショットや神がかったパットもさることながら、メンタルエネルギーをできるだけ浪費しないでプレーすること。難易度の高いショットをできるだけ打たない選手、寄せワンパーの回数が少ない選手が優勝すると可能性が一番高いと思います。
もちろん最終日も現地に足を運びます。皆さん、狭山でお会いしましょう~。
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