○○メーカーの○○クラブと、○×メーカーの○×クラブとではどちらの方が、やさしいのでしょうか?
いろんな所で、いろんな人から、この手の質問を受けます。スイングを一度も見たことがない人からも「自分にはどれが一番やさしいですか?」なんてことを聞かれたりします。
さて、このゴルフクラブの「やさしさ」。
やさしいと言う言葉をネットで調べてみると、、、、
「易」すぐでできる(わかる)ほど、扱いが簡単だ。
なんとなく意味は分りますが、これをゴルフクラブに当てはめるとなるとかなり抽象的な感じになると思います。ゴルフの場合、どんな道具(クラブ)を使っても、野球やテニス、卓球に比べると初心者には難しいスポーツ(競技)だからです。
では、どうすればゴルフクラブにおける「やさしさ」を定義できるのか?
逆もまた真なりではありませんが、やさしいの反対語は「難しい」です。ゴルフにおいて「難しい」を正しく定義できれば、「やさしさ」も正しく定義できそうな気がします。
初心者がゴルフを始めた時、まず直面するのは、、、、
- ボールが捕まらない(ボールが右に曲がる)
- ボールが上がらない(ゴロになる)
- 芯で捕らえられない(空振りしたり、フェースの端に当たる)
この3つでしょう。初めてクラブを手にしてボールが捕まり過ぎてフックする人や、ボールが上がり過ぎて困る人は、100人に1人もいないでしょう。いきなり芯を喰ってしまう人もめったにいません。なので、難しいを定義するのは簡単です。
- 初心者はボールを捕まえるのが難しい
- 初心者はボールを高く上げることが難しい
- 初心者は芯で捕らえることが難しい
「難しい」の反対が「やさしい」わけですから、やさしいゴルフクラブとは、、、
- ボールが捕まりやすい(スライスしづらい)
- ボールが上がりやすい
- 芯が広い(スイートエリアが広い)
と言うことになります。実際、市販クラブ(特にドライバー)を調べてみても、やさしさをアピールしているクラブのほとんどは、上記の3つの要素が満たされています。言い替えると、やさしいクラブというは「スライサーお助けクラブ」「ボールが上がりづらい人のお助けクラブ」です。逆に言うと、フックを解消したい人や、ボールが上がり過ぎて困っている人にとって、「やさしさを強くアピールするクラブ」は、やさしいクラブにはなりません。かなり難しいクラブになります。
誰かにとってやさしいクラブというのは、誰かにとっては難しいクラブになるのです。
3つめの芯の広さですが、これを追求し過ぎると非常に厄介なパラドックスが発生します。ヘッドを大きくして慣性モーメントを上げたり、重心を深くしたクラブを作ると、スイートエリアが広がります。スイートエリアが広がるほどに、芯を外してもヘッドがブレにくくなり、結果的に、芯が広いゴルフクラブになります。物理的な側面では、慣性モーメントが大きいクラブ、重心が深くなっているほど「やさしい」クラブになります。
その一方でゴルファーがスイングした場合、物理的に「やさしい」クラブというは、振りづらいクラブ、芯に当てづらクラブ、ボールが捕まりづらいクラブにります。ヘッドの大型化、慣性モーメントの増大、重心深度を深くする。この3つを求めるほどに、重心位置はシャフトの軸線から外れて(遠くなって)しまうからです。
市販ゴルフクラブ、特にドライバーは物理的な「やさしさ」を追求されて作っています。結果、物理的には「やさしい」ですが、人間工学的には「やさしくない」クラブが増えています。これが今どきのゴルフクラブが抱えている最大のジレンマであり、クラブが進化したにもかかわらず、初心者にとってゴルフは昔も今も「難しい」スポーツになってしまうのです。
このジレンマを打破するにやるべきことは、ただひとつ。ドライバーにおいては、芯の位置はフェース中央にありながら、シャフトの軸線と芯の位置が近いクラブを作ること。シャフトの軸線と芯の位置が近いこそが、本当の意味での「やさしい」クラブになるのです。クラブメーカーもそのことは重々承知していますが、作りませんし市販もしません。作らないのはゴルフのルールに抵触するからです。
誰が打ってやさしいクラブは存在しませんが、初心が打って「やさしさ」を感じるクラブは存在します。ゴルフ人口に歯止めをかけるには、ルールを変更することも大いにアリだと思います~。
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