毎日、毎日、深夜にテレビを4時間以上観ています。こんなに真剣にオリンピックを観ているのは生まれて初めてかも知れません。昨日は、女子ゴルフ、女子レスリング、そして卓球男子団体決勝を観ました。いずれも手に汗握る展開でハラハラドキドキしまくりましたが、特に女子レスリングは最後の最後で、3人とも逆転勝ちで金メダル。欧米人に比べると日本人は「プレッシャーに弱い」「メンタルが弱い」なんて言われたりした時期もありましたが、彼女たちを見る限り、今や、日本人が一番プレッシャーに強く、メンタルが強いと確信しました。
わずか数分の競技時間で勝負が決まるレスリングに比べると、ゴルフは競技時間がとてつもなく長く感じます。1日18ホールプレーするのに5時間近くかかっています。ホールアウトに要する時間はマラソンの2倍以上。ゴルフをしない人にとって、この時間の長さはデメリットの方が大きいと思います。4日間競技でもいいですが、できれば1日のホール数は18ホールではなくて9ホールで十分だと思います。プレーヤーにとっては物足りないかも知れませんが、観客側からすれば(特にゴルフ未経験者にとっては)、9ホールでも十分過ぎると思います。
ちなみに柔道の競技時間はわずか5分です。この時間を考えると9ホールが短すぎるということはないと思います。
さて、今回は2014年のオリンピックの競技方法について超私的に書いてみたいと思います。リオオリンピックでは4日間競技で予選落ちがありません。ストロークプレーで勝敗を決します。ゴルフをやっている人にとっては非常に馴染がありるので、何ら違和感がないと思います。しかしながら、ゴルフをまったくやっていない人にとっては、ストロークプレーが必ずしも分りやすい競技になるとは限りません。
では、どんな競技方法がいいのか?
ぜひとも採用して欲しいのはステーブルフォードでの競技です。ステーブルフォードというのは、スコアを数えて合算するのではなく、それぞれのホールのスコアをポイント換算し、そのポイント合計で順位を決める方式です。例えば、米PGAツアーでかつて実施されていた「モディファイド ステーブルフォード・スコアリングシステム」だと、
- アルバトロス:8ポイント
- イーグル:5ポイント
- バーディ:2ポイント
- パー:0ポイント
- ボギー:-1ポイント
- ダブルボギー以上:-3ポイント
ストロークプレーと比較すると、いいスコアには高得点が付くシステムです。例えば、9ホールすべてパーで回って、スコアが36だとしましょう。この場合、得点は0点。対して、3バーディ、3ボギーで回ってスコアが36だとしましょう。この場合、得点は3点です。ストロークプレーだとどちらも36ですが、この「モディファイド ステーブルフォード・スコアリングシステム」だと、獲得得点が3点も異なるのです。
ストロークプレーになれている人には得点を付けるのが面倒な感じがしますが、「モディファイド ステーブルフォード・スコアリングシステム」の魅力はプレーがアグレッシブになること。アグレッシブにピンを狙う、アグレッシブにバーディパットを打つので、ギャラリー(観客)にアピールするプレーが増えてきます。ストロークプレーよりもステーブルフォードの方が攻撃的なプレーになる分だけ、耐えるゴルフではなく、魅せるプレーが増えてきます。ゴルフの魅力を引き出しやすいと思います。
それだけではありません。オリンピックでステーブルフォードを実施してもらえると、
ゴルフ=ストロークプレー
という固定観念を持たないプレーヤーも増えてきます。日本では「ゴルフ=ストロークプレー」になっていますが、米国や英国、そしてオーストラリアといったゴルフが盛んな国や地域では、ストロープレーだけでなくステーブルフォードでのプレーも普及しています。オリンピックでステーブルフォードを実施すれば、日本国内でもステーブルフォードでのプレーを浸透させやすくなるのです。
ステーブルフォードでのプレーが浸透させることは、観る楽しみが増えるだけではありません。ゴルフ場においてはスロープレーを解消できますし、初心者にとってはゴルフプレーが楽しくなるメリットもあります。なぜなら、ステーブルフォードの場合、ダブルボギー以上のスコアは、いくら叩いても点数が変わらないから。ダブルボギーでもダブルパーでも点数が同じなので、ダブルボギー以上叩いた時点で、そのホールでプレーを続行する必要がありません。結果、1ホールで大叩きすることがなくなるので、プレーの進行が速くなります。初心者もバンカーから何発も何発も打たなくていいので、ゴルフが嫌いにならなくてすみます。
アマチュアの中には、完全ホールアウトしなければゴルフじゃないと思っている人も少なからずいますが、そんなことはありません。ゴルフは元々マッチプレーからスタートしてますが、マッチプレーの場合、勝敗がついた時点で負けている方のプレーヤーは、そのホールはギブアップします。完全ホールアウトというのは・・
決してゴルフのゼネラルスタンダードではないのです。
ゴルフがオリンピック競技になったことは大変素晴らしいことですが、どうせ実施するならばエキサイティングなプレーが楽しめる競技方法、そして、これからゴルフを始める人が、プレーを楽しみやすい競技方法を実施するのも多いにアリだと思います~。
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