男子メジャー第三戦、全英オープンも今日が最終日。今年の舞台はスコットランドの西海岸に面するロイヤルトゥルーン。典型的なリンクスコースで、プレーヤーを苦しめているのが深いラフと至る所に配されるバンカーです。息が抜けるホールはひとつもありませんが、中でも、難易度が高いのが8番ホール。「Postage Stamp」と命名されてますが、距離はたったの
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メジャー開催コースとしては、もっとも距離が短いパー3です。にも関わらず、多くのプレーやここで大叩きしています。このホールは風の影響を受けやすく、加えて縦長の小さなグリーンの左右には深いポッドバンカーが配されています。グリーン周りはバンカーに転がり落ちるようなレイアウトなので、少しでも左右にブレると、バンカーにボールが転がり落ちてしまいます。国内勢では宮里優作選手が初日に「7」を叩き、2日目には今平周吾選手が「7」。2人ともバンカーからの脱出に苦労し、それが大叩き(+4)につながっています。ちなみに、トリプルボギー(+3)よりもさらに1打悪いスコアのことを、正式にはクアドラプルボギー(+4)というそうです。
この8番のバンカーには小型カメラが設置されていますが、形状は蛸壺(たこつぼ)で、アゴは直角で非常に高くなっています。真上にボールを上げるような感じのショットを打たないと、バンカーから脱出できません。アゴまでの距離が近い時は、プロでもピンとはまったく関係方向に打つことが余儀なくされます。
我々が普通にプレーするコースには、この8番ホールのようなアゴが直角にそびえるバンカーはまずありません。しかしながら、アメリカンスタイルのコースやリンクス風のコースには、「なんだこりゃ」ってぐらい高いバンカーもあったりします。そこで今回はアゴが非常に高いバンカーの脱出法について超私的に説明したいと思います。
アゴが非常に高いバンカーからショットを打つ時、まずチェックしたいのがアゴの高さと角度、そしてボールからアゴまでの距離です。例えば、アゴの高さが2mで、ボールからアゴのまでの距離が1mしかなかったとしましょう。この場合、どんなに上手く打ってもアゴを超えるショットを打つのは不可能です。アゴまでの距離が近すぎると上手く打ってもアゴの途中に突き刺さります。前方のアゴをクリアするためには、
アゴの高さ<ボールからアゴまでの距離
これが絶対条件です。例えば、アゴの高さが2mの場合、ボールからアゴまでの距離は2m以上あれば脱出可能です。ただし、ここでも条件があります。ボールが砂に沈んでいないこと、そしてボールのライが平坦、もしくは左足上がりになっていることです。ボールが少しでも砂に沈んでいたり、ライが左足下がりだと、上手くスイングしてもボールがちゃんと上がってくれません。ライに問題がある時はアゴが低いエリア、もしくはボールからアゴまでの距離が離れているエリアを狙って下さい。
バンカーからボールを高く打ち出す打ち方のポイントは2つです。
ひとつは極端なぐらいフェースを開く(ロフトを寝かせる)こと。シャフトを右に倒しリーディングエッジをかなり右に向け、フェースが真上を向くぐらいフェースを開きましょう。フェースを開くほどロフトが増えて、ボールが高く上がりやすくなります。
もうひとつのポイントはインパクトゾーンでシャフトのしなり戻り(逆しなり)を強く発生させることです。シャフトが逆にしなった状態でインパクトを迎えると、ボールの下にヘッドが入りやすくなります、かつインパクトでロフトを増やせます。しなり戻らせるコツは、インパクトで手元の動きを急減速させること。手元が急減速すると、その反動でシャフトがしなり戻り(逆しなり)が強く発生します。
通常のショットではハンドファーストな状態でインパクトを迎えますが、アゴが高いバンカーショットの時にはハンドファーストではなくてヘッドファーストになるぐらいの感じを意識するのもいいです。ボールをすくい上げようとするのではなくて、インパクトでロフトを増やしながらインパクトを迎える。これがボールを高く上げるコツです。
ちなみに、ボールを高く上げようとすればするほどボールは前に飛びません。ボールを高く上げるバンカーショットは通常のバンカーショットよりもボールが飛ばない分だけ、オーバー目の距離感が求められます。
バンカーショットはアゴが高くなるほど、そしてボールとアゴの距離が近づくほど難易度が増します。バンカーに入ってみて「これは越えない」と少しでも感じたならば、無理せず、潔く横に出しましょう。人間の直感はほぼほぼ当たります~。
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