マスターズの興奮がまださめやらない中、このブログを書いてます。昨年の覇者、ジョーダン・スピースは初日から3日間トップを維持し、最終日のフロント9を終えて首位の座にいました。それが、、、、、、たったの、、、、、3ホールで首位から一気に滑り落ちました。
10番でボギー、11番もボギー、そして12番ではなんと+4。12番はオーガスタの中でももっとも距離が短いパー3ですが、そこでなんと池ポチャ2連発。打ち直した5打目は奥のバンカーに打ち込み、バンカーから出して、6オン1パットの7。それまで精密機械のようなプレーを続けたスピースとは思えないような崩れ方です。その後、13番、15番でバーディを奪いましたが、時すでに遅し。終わってみれば、2アンダーまでスコアを落とし、首位と3打差の2位タイで終戦しました。「勝負は下駄を履くまで分らない」なんて諺がありますが、まさに今年のマスターズはスピースにとって残酷極まりない大会でした。
オーガスタの魔女が、昨年の覇者スピースを翻弄しました。
優勝したのはイングランドのダニー・ウイレット。今年のマスターズにエントリーしたのは89番目。一番最後のプレーヤーです。イングランド勢の優勝は1996年ニック・ファルド以来。欧州勢としては1999年オラサバル以来です。ちなみに、マーク金井がマスターズを観戦した1993年の優勝者は、最終日に松山英樹選手と同組だったベルンハルト・ランガー。1990年代は欧州選手が6回も優勝してます。
今年のマスターズは全米オープン並みのロースコアになりましたが、スコアが伸びなかった理由は、予測できない風が吹いたことと、予測以上にグリーンが速くて難しかったからだと思います。特に3日目と最終日はピン位置が厳しくてタフでした。優勝争いを演じたダスティン・ジョンソン、そして松山英樹選手は3メートル以内のパットがことごとくカップをかすめていたのがグリーンの難しさを象徴してました。3日目に崩れたマキロイもパットがもう少し決まっていれば、優勝争い絡んだと思います。ショットがどんなに良くてもパットが良くなる保証はありませんが、パットが悪いと、必ずと言っていいほどショットに悪影響が出ます。プレーの流れを作るのは、ショットではなくパットです。
スピースが敗れたことでマスターズを連覇した選手は3人のままですが、実は今年のマスターズでは連覇したことがひとつあります。それは、パッティングのグリップ。昨年の覇者スピースも今年の覇者ウイレットもパターを打つ時は、
クロスハンド・グリップ!!!!!
マキロイもクロスハンドグリップでパットを打ってます。全体的に見ればクロスハンドの選手は少ないですが、握り方が独特なのでかなり目立っています。
さて、このクロスハンド・グリップ。40年以上前に遡ると、マスターズでこのグリップをしていた人はほとんどいませんでした。ホーガン、パーマ、ニクラス、プレーヤーらが優勝していた頃のプレーヤーは普通のグリップでパットを打ってました。それが、オーガスタのグリーンが速くなるにつれて、長尺パターを使うプレーヤー、クロスハンド・グリップをするプレーヤー、クロウグリップをするプレーヤー(変則グリップ)が増えてきています。ここから推察するに、クロスハンド・グリップは遅いグリーンよりも、速いグリーンに適したグリップだと言えます。
では、なぜクロスハンド・グリップは高速グリーンと相性がいいのか?
クロスハンド・グリップは「右打ちの人が、左打ちのグリップをする」ことですが、これで握ると、アドレスで左手が下になり、左腕が長くなります。そして、左腕とシャフトを一直線に保ちやすくなります。結果、左手リードでストロークしやすくなり、インパクトでパンチが入りづらくなります。また、ストロークをコントロールするのが左手、左腕になるので、ハンドファーストの状態でボールをヒットしやすくなります。
クロスハンド・グリップはボールを強くパチンと打つのには適しませんが、ゆったりとしたストローク、ボールをゆっくり転がすのには適しているのです。
ゴルフはクラブが変われば、適した打ち方(スイング)が変わります。パットにおいては、グリーンの速さが変われば、適した打ち方(グリップ)が変わるような気がします。
もしも来年のマスターズでもクロスハンド・グリップのプレーヤー、クロウグリップのプレーヤーが優勝すれば、高速グリーンではクロスハンド・グリップやクロウグリップがパットの基本グリップになってくるかもです~。
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