マーク金井blog

2016年02月25日2016年の新作ドライバーを一気に35本試打してみて分ったこととは!?

昨日もホットリストの試打でクラブを打ちまくってきました。FW、アイアン、ウエッジ、そしてパター。150本以上のクラブを実際に打って、1本づつ試打コメントを書き上げることを延々とやってきました。それぞれの評価項目を採点し、それぞれのクラブについて固有の感想を書きます。仕事柄慣れているとはいえ、2~3日間で220本以上のクラブを打ち比べることは、このホットリストぐらいだけです。

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クラブの試打を仕事にするようになって20年近くなります。この20年でクラブは劇的に進化していますが、ここ数年感じるのがクラブの完成度の高さ。昔と違って最近のクラブは性能差がほんとに少なくなっています。フェースの弾き感しかり、スピンのかかり方しかり。極端に飛ばないドライバーはありませんし、極端に打ちにくく感じるドライバーもありません。弾道計測器が普及したことで「飛ぶクラブ」の概念というのが明確になったことで、どのメーカーも目指すところが似てきています。具体的言うと、、、

 

 ルールギリギリまでフェースの反発を上げる
 低重心設計によって低スピン化
 慣性モーメントをある程度上げてミスに強くする

 

この3つはどのメーカーも追いかけています。他方、メーカーによって異なるのが

 

  • 重心距離

  • 重心の深さ

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GDOより転載

 

重心距離は主にヘッドの返りやすさに影響が出るスペックです。ヘッドの大型化により米国メーカーは重心距離が長めのモデルがほとんどです。対して、国内メーカーはスライスのお助け要素として、意図的に重心距離を短く設定しているモデルが目立ちます。結果、意図的に重心距離を短くしたドライバーの場合、スイートスポットの位置がフェース中央よりややヒールに偏っています。

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重心の深さに関しては、少し前は「浅重心」をアピールしているメーカーがありましが、2016年モデルに関しては「浅重心」をアピールをしているモデルは減っています。その代わりに、重心を前後に移動できるドライバーが増えています。これは画期的なアイデアで、同じヘッドで簡単にスピン量を増減させられます。この重心の前後移動はコブラナイキテーラーメイドが一歩リードしていますね。

 

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そして2016年で目立ってきたのが、カーボン素材を採用したドライバー。テーラーメイドのM1、M2はカーボンの編み目を前面的に見せていますが、それ以外でも、ヨネックスキャロウェイコブラなどがカーボン素材をヘッドに採用しています。チタンとカーボンを組み合わせたヘッドはこれか増えてきそうな予感がします。

 

もうひとつ新しい事象としては、空力にこだわったドライバー。2016年モデルでは、ピンのGシリーズキャロウェイのXR16は、エアロダイナミクスを強くアピールしています。対して、他メーカーは今の所、空力についてはアピールしていません。ルールでは空力に制限がかけられていません。スイング中、クラブヘッドは3次元的に回転しながら動いています。なので、どこの空力を意識するかでクラブの作り方は変わってくると思われます。

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20年という大きいスパンで考えると、ゴルフクラブは劇的に進化しています。そしてここ数年のスパンで考えると、メーカー、モデルによる性能差が年々縮まっています。どれを使っても同じわけではありませんが、どこのドライバーを使ってもちゃんと打てばちゃんと飛ぶように作られています。そして、性能が拮抗することによって浮き彫りになってくるのがセッティングの重要性です。具体的に言うと、

 

 ヘッド重量
 リアルロフト
 フェースアングル(フェース向き)
 クラブ長(長さ)
 クラブ総重量(重さ)
 シャフトの硬さ
 シャフトのしなり感

 

これらはつるしの状態(メーカー出荷状態)だけでは対応しきれません。クラブには1本1本個体差がありますし、シャフトについてはゴルファーによって適正スペックが異なるからです。また、フィッティングしても、クラブを1本づつ計測しておかないと、セッティングできないからです。

 

クラブの性能が高くなるほど、クラブセッティングの善し悪しで飛距離性能、振りやすさがガラッと変わります。誤解を恐れずに言うならば、クラブは進化すればすればするほど、どんなスペックに仕上げるかが重要になってくるのです。次回は、ドライバーのセッティングの基本について説明しましょう~。

 

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