マーク金井blog

2015年11月23日バッバ・ワトソンのスイングは、どこがどう常識外れなのか!?

国内男子ツアー「ダンロップフェニックス 2015」。3日目を終えた時点でトップにたった宮里優作選手は最終日もスコアを2つ伸ばして14アンダーで逃げ切り優勝。2打差の2位には東北福祉大学の後輩、松山英樹選手と藤本佳則選手が入りました。これで宮里選手は賞金ランクを一気に上げて2位浮上しています。残すところはカシオワールドオープンと、日本シリーズの2試合です。

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写真はGDOより転載 記事は↑をクリック

 

そして、昨日も神田のアナライズではセミナーを開催。午前中に「ゴルフの竪琴セミナー」、午後からは高速度カメラを使っての「インパクトセミナー」を実施。嬉しいことにどちらも満員御礼。参加者のモチベーションが非常に高く、どちらも1時間30分があっという間でした。

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セミナーではいろんな話をいたしますが、「インパクトセミナー」で必ず題材にするのがバッバ・ワトソンのスイングです。彼は並外れて飛距離の持ち主ですが、並外れたスライスを打ち、弾道の高さも並外れています。ヘッドスピードが並外れて速いから成せるわけですが、スライスと弾道の高さに関しては物理的に説明できます。ワトソンの場合、ヘッドの軌道はインサイド・アウト。インサイド・アウトの軌道ですが、インパクトでフェースが大きく開いています。結果、インパクトでは軌道よりもフェースが開いているために(フェースに対して軌道はアウトサイド・インになるために)、ボールにスライス回転がかかっています。

ワトソンの場合、インパクトでフェースが右を向いている度合いが大きいために、インパクト時にロフトが増えています。ロフトが増えた状態でボールをヒットしているから、並外れて弾道が高くなっているのです。

 

ワトソンは弾道がかなり個性的ですが、スイングも個性的です。三井住友VISA太平洋マスターズで彼のスイングを間近でじっくり観察すると、まず驚かされるのがスタンスの向き。オープンスタンスなんですが、その度合いが極端です。ワトソンはレフティなのでオープンだと右を向くことになるのですが、30度ぐらい体を開い感じで構え、ボールはスタンスよりもかなり左に飛びだし、そこからスライスします。まさに、あっち向いてホイという感じでした。

 

そして、もうひとつ驚かされたのが下半身の使い方。インパクトでは両足ともつま先立ち。右足のカカトも、左足のカカトも完全に浮き上がっています。ジュニアゴルファーにも見受けられる動きですが、ジャンプアップする動きが強烈なヘッドスピードの源になっているのでしょう。ツアープロにもインパクトでジャンプする選手はいますが、ワトソンがジャンプアップする度合いはケタ外れに大きいです。

 

インパクトでつま先立ち~

インパクトでつま先立ち~

フォローはさらにつま先立ち~

フォローはさらにつま先立ち~

 

 

そして、そして下半身の動きにフォーカスして見ると、さらに驚かされたことがありました。ワトソンは前足(左打ちの右足)のカカトをアドレスの時からすでにほんの少し浮かせ、浮かせたままスイングしているのです。

 

 

アドレスでもわずかに右足のカカトが浮いてます~

アドレスでもわずかに右足のカカトが浮いてます~

インパクト前にはすでに両足つま先立ち~

インパクト前にはすでに両足つま先立ち~

 

インパクトでジャンプアップして前足(左打の右足)のカカトが浮くプロはいますが、アドレス時に前足(左打の右足)を浮かせるツアープロは、恐らく彼だけでしょう。ワトソンのテークバックは非常にアップライトですが、つま先体重になっているほどテークバックはインサイドに動きづらくなり、手は高く上がりやすくなります。

 

ドライバーをショットでのワトソンの下半身の動きをじっくり見ていると、ゴルフスイングをしているというよりは、ボクサーがリングでステップを踏んだり、パンチを繰り出している時のように見えました。

 

アドレスで前足(左打ちの右足、右打ちの左足)が浮くというのは、これまでにないスイングです。ツアープロはもとより、アマチュアゴルファーでもまず見たことはありません。何故にバッバ・ワトソンはアドレスで前足を浮かせているのか大いに気になってしょうがないです。これから発売されるゴルフ雑誌でワトソンのスイングについての解説記事があるかと思います。どんな風に解説がなされるのか、大いに楽しみです~。

 

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Posted by マーク金井のアナライズ on 2015年11月22日


カテゴリー スイング、ゴルフ練習法, トーナメントから, 計測器、分析法

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