毎週火曜日は、インターネットラジオ、ソラトニワの「マーク金井の喋らずにいられない!」のオンエア日。昨日のゲストはサンケイスポーツの永尾知子さん。入社動機にはじまって、サンスポの持ち味、そしてゴルフの広告営業についてじっくりと話を伺いました。ご本人もゴルフ大好きで、現在は毎週ゴルフスクールに通い、そしてコースにも月に3回前後出ているそうです。現在使用しているクラブのメーカーについて質問したら‥‥ものの見事にやんわりとスルーされました(笑)
そして今日、水曜日は国内男子ツアー「2015三井住友VISA太平洋マスターズ」のプロアマ日。昨年同様、今年も注目を浴びているのが海外招待選手のバッバ・ワトソン。ワトソンと言えば、レフティでマスターズを2度制覇。米ツアーで屈指のロングヒッターで、ピンクのピンのドライバーで楽に300y以上飛ばしてきます。大会会場となる太平洋御殿場コースの18番は名物パー5ですが、ワトソンはショートアイアンで2オンしてきます。というか、ティショットはグリーン右サイドの池近くまで飛ばしてきます。
さて、このワトソン。
持ち球はフェードで、時には大きく曲がるスライスも打ちます。ドローに比べるとフェードは飛距離が出にくいと言われてますが、ワトソンにはこの常識はまったく通用しません。マスターズのオーガスタナショナルでもスライス系の弾道で同伴競技者をこれでもかってぐらいオーバードライブしています。
では、ワトソンはどんな風にしてフェード(スライス)を打っているのか?
スライス系の弾道と言うとアウトサイド・イン軌道、いわゆるカット打ちをすると右曲がりの弾道が打てます。実際、スライスに悩んでいるアマチュアの多くは、ダウンスイングの軌道がアウトサイド・イン(カット打ち)になっています。プロでもフェードを持ち球にしている選手の場合、その多くはほんの少しアウトサイド・イン軌道になっています。
しかしながら、ワトソンのスイング軌道はアウトサイド・インではありません。動画でスイングを分析してみると、インサイド・アウト気味の軌道でフェードやスライスを打っています。インサイド・アウト軌道といえば本来はドローやフック系の球になるはずなのに、ワトソンはインサイド・アウト軌道でボールにスライス回転をかけているのです。
インサイド・アウト軌道でスライス弾道!!!!
これには種も仕掛けもあります。ワトソンの場合、インサイド・アウト軌道にスイングしていますが、インパクトでフェースがかなり開いています。例えば、5度インサイド・軌道に振っているならば、ワトソンはインパクトでフェースが6度以上開いています。ワトソンの場合、ヘッドの軌道よりもフェースの向きの方がオープンの度合いが強くすることで、ボールにはスライス回転をかけているのです。
ワトソンのスイングを見たことがある人ならばご存じのように、彼は極端なぐらいオープンスタンスに構えています。そして、ボールは構えた向きよりもかなり右に飛び出して、ボールにスライス回転がかっています。スタンスの向きよりもボールが右に飛び出すのは軌道がアウトサイド・インになっているからではありません。インパクトでフェースがかなり開いて(右を向いて)いるからなんです。
(読みやすいように、右打ちに置き換えて書いてます)
そしてここからが大事なポイントですが、ヘッドの軌道というのは自分に対しての軌道と、フェースの向きに対しての軌道があります。ワトソンの場合、自分に対してはインサイド・アウト軌道ですが、インパクト時のフェースの向きに対しては、ヘッドはややアウトサイド・イン軌道になっているのです。だからインサイド・アウト軌道でもボールにスライス回転がかかり、フェードやドローを打つことができるのです。
フッカーの多くはインサイド・アウト軌道が染みついています。そしてフックを打つのが上手い人ほどフェードを打つのが得意ではありません。無理にフェードを打とうとしてカット(アウトサイド・イン)軌道でヘッドを入れようとうすると、捕まり過ぎて引っかけのミスが出たりします。フェードを打とうとして引っかけたら、OBになったり林や池に打ち込むことになります。
でも、ワトソンのようにインサイド・アウト軌道でフェードを打とうとすれば、逆球(ひっかけのミス)はかなりの確率で減らせます。軌道をわざわざ変えないでスイングできるからです。
大事なことなので繰り返しますが、ワトソンのようにインサイド・アウト軌道でフェードを打つコツは2つ。
ひとつは強いオープンスタンス。
ひとつは、インパクトでフェースを開く。
ヘッド軌道に対して、インパクトでフェースが開いていればボールにスライス回転がかかり、狙い通りのフェードやスライスが打てます。
ゴルフは物理です。物理現象を正しく理解し実践すれば、フッカーはスイング軌道をわざわざ変えなくてもフェードやスライスを打つことができるのです~。
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