今週は木曜日から土曜日まで関西出張に行ってました。3つのミーティングに立会い、そしてサンテレビのゴルフ番組、「小林佳則の熱血!! ゴルフ塾」にゲスト出演してきました。関西ローカルなので関東エリアでは観ることができませんが、10月と11月、毎週水曜日午後11時から出演します。番組はプロとゴルフ芸人のマーク金井がそれぞれアマチュアゴルファーとタッグを組んでのマッチプレー。ひとつのボールを交互に打って、ホールマッチします。
今回は寝違えて首を痛めた状態でのプレーでしたが、なんとか完走できました。手前味噌ですが、自ら設計したリンクスSSマジックマリガンウエッジ、リンクスSSマジックマリガンアイアンのおかげで、最後の最後まで面白い勝負を繰り広げることができました。ゴルフはミスのゲーム。ミスの許容範囲が大きいクラブは、プレッシャーがかかった場面で威力を発揮してくれます。
小林プロの番組には4ヶ月ぶりに出演しますが、前回と今回とではショットの内容が大きく異なりました。マーク金井は生まれながらのフッカーですが、今回の収録ではドライバーもアイアンもフックの度合いがかなり減っています。そしてミスした時の多くは、左ではなくて、やや右。スライスやコスリ球は1発も打ってませんが、チーピンや引っかけのミスはほとんどありませんでした。
球の曲がりが少なくなった理由‥‥
たくさん練習したからではありません。真っ直ぐ打つ練習をしたからでもありません。曲がりが少なくなった最大の理由は‥‥
ボールが曲がる本当の理由が、視覚で理解(確認)できたからです!!!!!!
このブログでも何度か紹介してますが、現在、アナライズにはディテクトの高速度カメラが設置されています。秒間1000コマでインパクトゾーンを解析すると、ボールが曲がるメカニズムが目で確認できます。これを見ながらボールを打ちはじめたことで、ボールの曲がりが少なくなってきたのです。昔のプロは「フックとスライスが打てれば一人前」とか「フックとスライスが打てれば、真っ直ぐ打つのは簡単」と言ってましたが、まさにその通り。ボールが曲がる要因(理由)が具体的に分かれば、ボールを曲げないコツも分かってくるのです。
そこで今回からは、ボールが曲がるメカニズムについてじっくり説明したいと思いますが、まず理解してほしいことがあります。それはボールの飛び方(曲がり方)はすべてインパクトの迎え方で決まるということ。インパクトの時にどんな風にボールとフェースが衝突(接触)しているかで、ボールの飛び方(曲がり方)はすべて決まります。インパクトでボールの飛び方(曲がり方)に影響するのは、
・フェース向き
・ヘッド軌道
・打点位置
の3つです。真っ直ぐ飛ぶボールも、左右に大きく曲がるボールも、すべてこの3つの組み合わせできまります。
では、どんな組み合わせでインパクトを迎えるとボールは曲がるのか?
米国ではボールの飛び方について、飛球法則という用語を使い、弾道を以下の種類に分類しています。
右に飛び出して‥‥右に曲がる(プッシュスライス)
‥‥真っ直ぐ飛ぶ(プッシュストレート)
‥‥左に曲がる(プッシュフック)
真っ直ぐ飛び出し‥‥右に曲がる(ストレートスライス)
‥‥真っ直ぐ飛ぶ(ストレート)
‥‥左に曲がる(ストレートフック)
左に飛び出して‥‥右に曲がる(プルスライス)
‥‥真っ直ぐ飛ぶ(プルストレート)
‥‥左に曲がる(プルフック、いわゆるチーピン)
ボールの弾道はこの9種類に分類できます。そして、弾道はボールは打出し方向と曲がり方で決まります。ゴルフの上手下手に関係なく、ボールの飛び方はこの9種類です。
以上のことから分かるのは、スライス系の弾道は3種類、フック系の弾道も3種類、そしてストレートな弾道も3種類あるということです。野球に例えるならば、直球系は3種類、変化球(曲がる球)はカーブ系が3種類、シュート系が3種類あります。
まずは、この原理原則を覚えておいて下さい。そして、この9種類の飛球法則は、
・フェース向き
・ヘッドの軌道
・打点位置
この3つの組み合わせで決まります。スライスしかり、フックしかり、チーピンしかり、ストレートしかり。
では、どんなインパクトの迎え方をするとボールは曲がるのか?
ボールが飛び出す方向に影響を及ぼすのは、インパクト時のフェース向きと打点位置です。
昔は、ヘッド軌道でボールが飛び出す方向が決まると言われてましたが、高速度カメラでインパクトを解析すると、ボールが飛び出す方向に強い影響を与えているのは、インパクト時のフェース向きと打点位置です。
目標に対してフェースがスクエア、かつフェース中央でボールをヒットすると、ボールは真っ直ぐ飛び出します。
- 目標に対してフェースがオープン(開く)とボールは右に飛び出します。
- 目標に対してフェースが真っ直ぐでも、打点位置がトウよりだとボールは右に飛び出します。
- 目標に対してフェースが真っ直ぐだと、ボールは真っ直ぐ飛び出します。
- 目標に対してフェースが開いていても、打点位置がヒールよりだとボールは真っ直ぐ飛び出します。
- 目標に対してフェースがクローズでも、打点位置がトウよりだとボールは真っ直ぐ飛び出します。
- 目標に対してフェースがクローズだと、ボールは左に飛び出します。
- 目標に対してフェースが真っ直ぐでも、打点位置がヒールよりだとボールは左に飛び出します。
1秒1000コマの高速度カメラでインパクトを観察すると、ボールの打出し方向はインパクト時のフェース向きでほぼ決まることが、視認できます。また、打点位置がフェース中央から外れると、インパクトの衝撃でフェースが回転します。トウよりで打てばフェースは開く方向に回転し、それにつられてボールも右に飛び出します。ヒールよりで打てば、フェースは閉じる方向に回転し、それにつられてボールも左に飛び出します。
ドライバーでボールを打った時、インパクトの衝撃は約1トンと言われてますが、高速度カメラでインパクトを解析すると、かなりのエネルギーが発生していることが手に取るように分かるのです~。
次回もボールが曲がるメカニズムについてじっくり説明します~。
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Posted by マーク金井のアナライズ on 2015年9月26日