カテゴリー: スイング、ゴルフ練習法
2014年03月06日シャフトのしなり戻りをマスターする極意とは!?
いよいよ明日から国内女子ツアーの2014年シーズン開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」が始まります。舞台は琉球GC(沖縄県)。昨年は森田理香子プロがプレーオフで横峰さくらプロに競り勝ちました。マーク金井が注目しているのは比嘉真美子プロと工藤遙加プロ。二人とも女子ツアーきってのロングヒッターで、強い球が打てるプレーヤーです。そして、昨年のリベンジを果たすべく横峰さくらプロにも活躍を大いに期待したいです。
さて、今日のエントリーはシャフトのしなりを上手く使うコツについて。昨日のブログでも書きましたが、シャフトのしなり(正確にはしなり戻り)を上手く使えるかどうかは、ダウンスイング途中からの腕、手元(グリップ)スピードを減速させられるかどうかで決まります。
ヘッドスピードを上げようとして腕、手元(グリップ)を速く振ってしまうアマチュアが少なくありませんが、そんなことをしているほどシャフトのしなりは上手く使えません。腕、手元(グリップ)を速く振ってしまうほど、シャフトがしなり戻ることができなくなるからです。また、ダウンスイングからインパクトにかけて腕、手元(グリップ)を速く振ってしまう人は、硬いシャフトを好む傾向があります。硬いシャフトの方が振り遅れづらく、スライスやプッシュアウトのミスが出づらくなるからです。
ダウンスイング途中から、腕、手元(グリップ)を速く振っているかどうかは、EPSONの「エム・トレーサー」のようなスイング解析システムで正確にチェックできますが、スイングの自撮りでも確認できます。
フォローで左ひじが引けている(曲がっている)
フォローで頭が突っ込んでいる
フォローで右肩が高い
フォローで左肩が消えている(肩の開きが速い)
これが当てはまっていると、まず、腕、手元(グリップ)の減速があまりないと思って間違いないでしょう。そして、球筋でも分析できます。
コスリ球が出やすい
スピンが多くて飛ばない
天ぷらのミスが多い
これが当てはまる人も、ダウンからフォローにかけて腕、手元(グリップ)を速く振ってしまう癖がついていると思って間違いないでしょう。
では、どこをどう意識すれば、腕、手元(グリップ)を速く振ってしまうのを止めることができるのか。腕、手元(グリップ)スピードを減速させながらインパクトを迎えることができのか?
昨日のブログでも書きましたが、超軟らかいシャフトを使ってボールを打つのは非常に効果的な練習法です。シャフトがグニャグニャだとしなり戻りを待たないと上手くボールを捕らえることができません。腕、手元(グリップ)を速く振ってしまう人でも、減速させながらインパクトを迎えようとするようにスイングし始めます。
そして、もうひとつオススメしたいドリルがあります。それは
寸止め!!
いつも通りにテークバックしてトップまで上げ、ダウンスイングを開始したら、インパクトを迎える直前で急停止。ヘッドがボールに当たる直前でヘッドの動きをピタッと止めることをやって下さい。寸止めする感じをつかむには、ペットボトルやタイヤでもいいですし、マーク金井の場合はボールを入れる筒を使って寸止めドリルをしています。
もちろん、寸止めドリルでも自撮りをして下さい。グリップが左太ももぐらいに達した時にヘッドが寸止めできるのが理想です。グリップがおへその手前で寸止めするのは好ましくありません。これだとブレーキをかけるタイミングが早過ぎます。グリップが左太もも内側に達した時、ヘッドがボールの手前ギリギリの所で止まる。これを目指して下さい。
この寸止めドリルをやると、腕、手元(グリップ)を速く振ってしまう動きは出ません。そんなことをすると寸止めできないからです。男性用カーボンシャフトのRぐらいでもかなりシャフトはグニャリとしなり戻るのが手に伝わります。動画で自撮りすると、シャフトが逆にしなり、ヘッドが前に飛び出しているのが画像で確認できるでしょう。そうです、
寸止め=腕、手元(グリップ)を減速する感覚を養える
寸止め=シャフトのしなりを使える
ようになるのです。実際のスイングは寸止めほど強いブレーキを掛ける必要はありませんがが、腕、手元(グリップ)を減速させることを上手くできるようになると、シャフトはしなり戻りが発生し、それがエネルギー効率が高いインパクト、ヘッドスピードアップ、そしてボールを捕まえることがやさしくなるのです。
スイングの型を覚えるのは素振りが効果的ですが、ヘッドスピードアップや、シャフトのしなりを上手く使えるようになるには、この寸止めドリルがかなり効果的です。
そして、寸止めの感覚をスイングに転化する時は、
ボールを打たないで打つ!!
という感覚を意識してみて下さい。禅問答のような感じがするかも知れませんが、これが分かってくると、プロ、上級者のようにグリップスピードを減速させられるようになってくるでしょう。
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2014年03月05日軽く振っているのにボールが飛ぶ人と、一生懸命振っても飛ばない人の違いとは!?
昨日はインターネットラジオ、ソラトニワ「マーク金井の喋らずにいられない」のオンエア日。ゲストは女子プロゴルファーの別府有里子さん。ティーチングプロとしてレッスン活動をしながらも、自ら会社を経営しておられるバリバリのプロフェッショナルです。いろんな話を伺いましたが、その中でも勉強になったのが、ダウンスイングからフォローにかけての腕の振り下ろし方。ビジネスゾーンと呼ばれる所で、腕をどんな風に振るかでボールが飛んだり、飛ばなかったりするそうです。番組アシスタントのアリエルのスイングを分析してもったら、
「一生懸命スイングしていますが、これだと飛ばないですねぇ」
と。飛ばない原因はどこにあるかと訪ねたら、即座に腕の振り下ろし方について言及されました。アリエルだけに限らず、一生懸命振っても飛ばない人というのは、
ダウンスイング途中からインパクトにかけて腕を振るスピード、手元(グリップ)スピードが減速します。対して、アリエルだけでなく、一生懸命振っても飛ばない人、一生懸命振ってもヘッドスピードが上がらない人は、ダウンスイング途中からインパクトにかけて腕を振るスピード、手元(グリップ)スピードがほとんど減速していません。インパクトゾーンで腕を振るスピードが速い。そして腕を速く振っているがために一生懸命振っているように見えてしまうわけです。要するに‥‥
腕、手元、グリップスピードが減速しない=飛ばない、一生懸命振って見える
腕、手元、グリップスピードが減速する=飛ぶ、軽く振って見える
そうです。軽く振って見える人というのは、腕、手元、グリップスピードが減速しているために、無駄な力感がなく、それが軽さを演出しているわけです。
マーク金井は回りから「軽く振って見えますね〜」と言われますが、本人は軽く振っている自覚は一切ありません。かなり目一杯なスイングをしていてもそう見えないのは、ダウンからインパクトにかけて腕、手元、グリップスピードが減速する度合いが並外れて大きいからです。そして、シャフトを使うのが上手いとも良く言われますが、これも理由は同じです。別府プロもラジオでコメントされてましたが、ダウンからインパクトにかけて、
腕、手元、グリップスピードが減速するのが上手いほど、
シャフトのしなり戻りを効率良く使えるのです。
ちなみに、ダウンスイングで腕、手元、グリップスピードが減速している度合いというのは、昨日このブログでも紹介したスイング解析システムEPSONの「エム・トレーサー」でかなり正確にチェックできます。一生懸命振って見えるアマチュアの多くは、グリップスピードの減速がほどんどなくて、減速の度合いの数値は20%を下回ります。対して、男子プロ、上級者、ロングヒッターになるとこの数値が30%を上回ってきます。マーク金井は気合いを入れてスイングするほどのこの数値が高くなり、マン振りすると、
ヘッドスピードは47.1m/s
ナチュラルアンコックは55.1%
(グリップスピード減速率)
という数値。気合いを入れれば入れるほど、ダウン途中からインパクトにかけて腕、手元、グリップスピードが減速する率が高くなってきます。シャフトを上手く使うことばかり考えた結果、腕を速く振らない方がシャフトを上手く使えることを理解したのでしょう。
では、どんな練習をすれば、ダウン途中からインパクトにかけて腕、手元、グリップスピードが減速するようになるのか?
いくつかの練習法がありますが、別府プロは極端に軟らかいシャフトを使ってボールを打つことを提唱しています。アナライズにも「テンポマスター」という練習器具がありますが、これもムチみたいにクニャクなシャフト。マーク金井はシャフトのしなりを感じてもらうためにウソでしょってくらい超軟らかいシャフトを振ってもらっていますが、実は、これを振るとスイング中のシャフトのしなりを感じ取りやすくなります。加えて、超軟らかいシャフトはダウン後半からインパクトにかけて、腕、手元、グリップスピードが減速しないと上手く打てないことも体感できるのです。
道具(クラブ)でスイングは変わります。
一生懸命振っても飛ばない、一生懸命振ってもヘッドスピードが上がらない人は、身体を鍛えたりすることも大事ですが、もっと大事なことはダウンスイング途中からインパクトにかけて腕、手元、グリップスピードが減速する感覚を養うことが必要不可欠です。それには超軟らかいシャフトのクラブで実際にボールを打つことが非常に効果的です。別府プロが考案した超軟らかいシャフトが装着されたドライバーは、実際打ってみると、まさにうってつけの練習器具です。もちろん、アナライズでも近々販売を予定するつもりです。ボールが飛ばない人、シャフトを上手く使いこなせない人は、ボールをたくさん打つよりも、グニャグニャシャフトで練習した方が確実に努力が実を結ぶでしょう〜。
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2014年03月04日横峰さくらプロに学ぶ曲げないドライバーショットの打ち方とは!?
昨日もスノボを3時間ほど滑ってきました。場所はガーラ湯沢。JR神田から新幹線を利用すれば2時間弱でゲレンデに出られます。マーク金井は教わるのが大好きな人間で、昨日もみっちりレッスンを受けてきました。そしてレッスン終了前に、必ず自分の滑りをiPhoneで録画してもらっています。イメージと現実のギャップを埋めるには、自分を客観視することが一番大事だからです。スノボに限らず、ゴルフにおいても自撮りはすごく大事で、自分のスイングを見ることが欠点修正、悪癖修正の指針になるからです。
さて、今日のエントリーは横峰さくらプロのスイングについてです。
横峰プロのスイングはかなり独特で、トップがオーバースイング、そしてシャフトクロス気味です。自撮りをしているアマチュアにも、彼女のようなトップになっている人が少なからずいるでしょう。
さて、このオーバースイングとシャフトクロス。
横峰プロはいわゆるセオリーから外れた感じのトップになっています。ゴルフ雑誌の連続写真も見ても、他のプロとはかなり違ったフォームです。アマチュアの人に近いスイングに見えたりもしますが、実は、アマチュアのオーバースイング、アマチュアのシャフトクロスとはまったく違うことが分かりました。横峰プロのスイングは、一見、変則的に見えますが、実は、テークバックにおける大事なポイントはセオリー通りになっていることがスイング解析システム「Mトレーサー」で数値で確認できているのです。
では、横峰プロのテークバックはどこがセオリー通りなのか?
「Mトレーサー」はグリップの先端部分にセンサーを付け、そのセンサーでスイング軌道、フェース向き、ヘッドスピード、テンポを解析しますが、それに加えて、シャフト回転解析ができます。スイング中、シャフトをどんな風に回転させているのかがかかり具体的に分かります。これによりスイング中のフェースの開き具合が分かるのですが
横峰プロはスイング中、フェースの最大回転角は50度未満!!
オーバースイングでシャフトクロス気味ですが、実はテークバックでフェースの回転角(正確にはシャフトの回転角)が小さいのです。だから、スイング中にフェースの向きを上手くコントロールできているのです。ちなみに、マーク金井の場合、フェースをシャットに使っていますが、トップでのフェースの回転角は41度前後。この数値は横峰プロとほぼ同じぐらいです。
対して、アマチュアの場合、オーバースイングになっている人、シャフトクロスになっている人、そしてスライスが出やすい人の場合、
トップのフェース最大回転角は100度を軽く超えています。
スライスに悩んでいる人の場合、120度以上の人も少なくなりません。テークバックでフェースを開く度合いが大きい(正確にはシャフトの回転角が大きい)ために、ダウンスイングやインパクトで振り遅れてしまい、スライス出るべくして出たり、方向性が不安定になってしまっているのです。
iPhoneやスマホでスイングを自撮りすると、身体の動きはかなり正確にチェックできますが、スイング中のフェースの回転角(シャフトの回転角)をチェックするのは用意ではありません。フェースの開き具合とかはチェックできても、シャフトの回転角をチェックすることは難しいです。
ゴルフはどんな打ち方でも真っ直ぐ飛ばすことは可能ですが、再現性を高めるためには無駄な動きを減らした方が有利です。今回取り上げたシャフトの回転角というのは、多すぎると(50度以上)、それは無駄な動きとなってスライスの原因や、球筋が安定しない原因になってきます。
スイング解析というと難しく感じるかも知れませんが、大がかりな装置を使わなくてもかなり正確にスイングを解析できます。「Mトレーサー」は新世代スイング解析システムと謳ってますが、まさにゴルファーを丸裸にしてくれるスグレモノと言えるでしょう〜。
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2014年03月02日アイアンのやさしさの度合いはソール幅の広さで決まる!!
気がついたらあっという間に3月に入りました。確定申告の時期になっていますが、マーク金井はスノボとブログ執筆に明け暮れているために、申告書類の作成が大幅に遅れています。小学生の夏休みの宿題同様、今年も締切ギリギリになってから徹夜作業になりそうです(笑)
さて、今日のエントリーはアイアン選びについてです。T島ブログでも書かれてましたが、アマチュアゴルファーはやさしいだけのアイアンよりも、ちょっと難しめのアイアンを好む傾向があります。マーク金井が苦手にしているマッスルバックのアイアンを使うゴルファーも少なくありません。ゴルフ雑誌もそういったニーズに応えるべく、こんな企画をしょっちゅうやっています。
上級者やパワーヒッター専用と思われがちなマッスルバックアイアン。でも、いまどきのマッスルバックは球も上がりやすく、芯も広くなって、昔より格段にやさしくなったという。では、僕たちアベレージでも使いこなせるやさしいモデルはどれだ?
(週刊ゴルフダイジェスト3月11日号より引用)
なんとも買い物心をそそる文章です。この企画の中ではドライバーのヘッドスピードが40m/sあれば使いこなせるモデルが増えていると書かれていますし、今どきのマッスルは飛距離も出ると書いてありました。
確かに昔のマッスルバックに比べると、今どきのマッスルはやさしくなっています。重心が低くなり、ロフトも少し立っています。20年前のマッスルに比べると、今どきのマッスルは飛び性能も少しアップしています。5番の数値を比較してみると、
ミズノ MP33(2001年)
ロフト 28.3度
重心高 19.4ミリ
重心深度 2.4ミリ
重心距離 34ミリ
慣性モーメント 2188gcm2
ミズノ MP-64(2013年)
ロフト 27度
重心高 18.7ミリ
重心深度 3.4ミリ
重心距離 33.3ミリ
慣性モーメント 2059gcm2
(ゴルフクラシック2013年度版、重心ハンドブックより引用)
数値的にみると確かにやさしくなっていますが、今どきのやさしいアイアンに比べると、劇的にやさしくなっているわけではありません。難しいアイアンが少し易しく打てるようになっている感じです。昔も今も、アイアンの場合、見た目にシャープなアイアンはミスに対して強くはありません。
対して、今どきのやさしいアイアンは、マッスルバック系に比べると劇的にやさしくなっています。例えば、大型キャビティの場合、
ロフト 25.4度
重心高 17.7ミリ
重心深度 4.9ミリ
重心距離 44.5ミリ
慣性モーメント 2801gcm2
(ゴルフクラシック2013年度版、重心ハンドブックより引用)
アイアンの場合、ヘッドが大きいほど(重心距離が長いほど)慣性モーメントの数値が上がります。そしてソール幅が広いほど重心深度が深くなります。そして、この2つの数値が大きいほどミスに対して強く、芯を外して打った時に距離の落ち込みが少なく、方向性も安定します。ただし、この2つの数値が大きくなると操作性が悪くなるため(直進安定性が増すため)、球を左右に曲げづらくなってきます。
アイアンに限りませんが、ミスが出やすい道具(クラブ)を使うと、ほとんどのゴルファーはミスしたくない意識が強くなって、スイングに悪影響が出ます。ダフりを連発すれば、ダフりたくないと思ってすくい打ちなってしまいます。逆に、ミスの許容範囲が大きいクラブを使うと、自信を持ってスイングしやすくなる分だけスイングに好影響が出ます。ゴルフは上から目線でボールを打つ方がいいスイングが身に付くし、スコアも良くなるのです。
ドライバーと違って、アイアンは設計の自由度がそれほど高くありません。外観を見ればおおよその性能が分かります。ピンのG25のようにヘッドが大きくて面長なほど慣性モーメントの数値が上がり、ソール幅が広いほど重心が深く、かつ低重心になってミスに強く、ボールが上がりやすくなります。マーク金井はすでに最新アイアンを
60モデル以上打ちましたが、やさしさを強く感じたのは‥‥
この3モデル。この3モデルは常識外れにやさしいアイアンで、100が切れない人がこれらを使えば楽に100が切れます。その次にやさしさを感じたのが、
AP1の場合、ソール幅は上記3モデルほど広くありませんが、マッスルバック系に比べると幅広でヘッドは大型。100が切れない人はもとより90を切れない人、そして70台を出したいのに出せない人が使えば、確実にスコアアップできます。
この4つのモデルは非常にやさしいですが、残念ながらゴルフ雑誌の広告には頻繁に出ません。理由は単純、マッスルバックに比べるとデザインがカッコ良くないことと、使っているだけで上手そうに見えないからです。スノボと違ってゴルフはやさしくない道具を使っても、怪我をしません。やさしくない道具を使ってもゴルフを楽しむことができます。
しかし本当にスコアアップ、本当にいいスイングを見につけたいのならば、72が出るまではやさしい道具(クラブ)を使った方が、余計な回り道をしません。シングルになりたいのならば、道具(クラブ)を味方に付けた方が絶対得です〜。
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2014年02月26日ドライバーのヘッドスピードを上げる極意とは!?
昨日はインターネットラジオ、ソラトニワ「マーク金井の喋らずにいられない」の公開放送日。ゲストはシャフトメーカー、三菱レイヨンの伊藤成就さん。三菱レイヨンと言えば、元々はクラブにメーカーにカーボンシャフトをOEM提供していたメーカーでしたが、今から10年、2004年にディアマナを登場させてからは、アフターマーケットのシャフトをラインアップして販売しています。今年春の新作シャフトは、
が新たにラインアップに加わります。フブキJシリーズは右手部分に比重の重いカーボンシートを巻き付けることでカウンターバランスになっており、重いヘッド、そして長尺シャフトと相性が良く仕上がっています。マーク金井もその特性を生かし、60g台のシャフトは46インチ、50g台のシャフトは46.5〜47インチでクラブを組み上げてテストする予定です。ヘッドはキャロウェイのX2ホットと、ヤマハのインプレスRMX02を考えています。どちらも長尺ですが、長尺にこだわる理由は単純。クラブが長い方がヘッドスピードを上げやすく、さらなる飛びを手に入れる可能性が高まるからです。
ヘッドスピードをアップといえば、練習にもそれなりの工夫が必要です。
技術的には2つのことが求められます。ひとつはダウンスイングでタメ(手首のコック)を正しく作ること。ダウンスイング直後にタメがほどけてしまうと、インパクトゾーンで効率良くヘッドを走らせることはできません。シャフトのしなりも上手く使えないので、ヘッドスピードを上げることは難しくなります。逆に、軽く振って見えるのにヘッドスピードが速い人の場合、ダウンスイングでタメ(手首のコック)を効果的に作り、インパクトゾーンでタメ(手首のコック)をタイミング良くリリース(解放)しています。ダウンでタメを作り、スイング慣性モーメントを小さくすることがヘッドスピードを上げることにつながるのです。
もうひとつはスイングスピードを上げることです。スイングスピードは身体の回転速度、腕の振りによって構成されますが、この2つのスピードを上げることができると(筋速度を上げると)、ヘッドスピードが上がってきます。野球選手は平気で50m/s以上のヘッドスピードを出してきますが、彼らはスイングスピード(筋速度)が並外れて速いからヘッドスピードが並外れて出ているのです。
マーク金井の場合、ダウンスイングのタメ(手首のコック)はそれなりに出来ています。スイング慣性モーメントは大きくありません。なので、ヘッドスピードアップにはスイングスピードを今よりも速くすることが求められます。
では、どんな練習をすればスイングスピードを上げられるのか?
ヒントは自転車の下り坂のトレーニングです。自転車は平坦な道よりも下り坂の方がスピードが出ます。負荷が少ないからですが、スピードが出るということはペダルを漕ぐ回転速度(筋速度)も上がります。対して、上り坂は平坦な道よりもスピードは出ません。負荷が強いからですが、スピードが出ないということはペダルを漕ぐ回転速度(筋速度)は上がりません。
上り坂の高負荷トレーニングと下り坂の低負荷トレーニング
負荷が強い方が筋力アップができどうですし、筋力アップすればそれにともなってスイングスピード(筋速度)も速くなりそうな感じがします。しかしスイングスピードを上げるために必要なのは下り坂の低負荷トレーニングの方なのです。負荷が少ない方がペダルを漕ぐ回転速度が上がりますが、これがスピードアップトレーニングとして効果があるのです。
ゴルフもしかり。野球のバットや空気抵抗が強い道具を使ってトレーニングすると筋力アップできますが、クラブを振るスピード(筋速度)は普段よりも遅くなります。言い換えると、この手の練習は自転車で上り坂を上るようなものです。対して、非常に軽いクラブを使って素振りすることは、自転車で下り坂を素早く駆け下りるようなもの。普段よりも軽いクラブを使うと身体にかかる負荷が減ります。結果、普段よりもスイングスピード(筋速度)を上げやすくなるのです。軽いクラブを使って思い切り振る練習をすれば、負荷が減っている分だけスイングスピード(筋速度)が上がり、それに比例してヘッドスピードも上がってくるのです。
では、軽いクラブさえ使えば誰でもヘッドスピードが上がるのか?
軽いクラブでヘッドスピードを上げるためには次の2つのことが求められます。
軽くても手打ちにならないこと。重いクラブを振った時のように身体をしっかり使ってテークバックし、身体をしっかり使ってフィニッシュまで振り切ること。まず、これがちゃんと出来ていないと、軽いクラブはヘッドスピードを上げるための練習クラブにはなりません。
もうひとつは、ダウンスイングでタメ(手首のコック)を正しくキープすることです。正直言ってこれは簡単なことではありませんが、これも正しくできていないとヘッドスピードを上げるための効果的な練習にはならないのです。
軽いクラブは手先でも楽に振れてしまいますが、手先でクラブを振り回すとスイングスピード(筋速度)は上がりません。下半身、体幹、肩胛骨といった身体の大きな筋肉を使って、軽いクラブをフルパワーで素早く振り切る。これが、ヘッドスピードを上げる基本であり、極意的な練習です。
ヘッドスピードを上げるための効果的な練習器具としてお勧めしたいのがプロギアの初代エッグバード。これはヘッド重量が170gと軽く、そして長尺仕様に作られています。普通のドライバーとしても使えますが、ヘッドスピードを上げるための練習器具としても使えるのです。中古ショップに行けば2万円前後で手に入ります。
野球のバットを含め重たいモノを振ると筋力は増してきますが、筋力だけではスイングスピードは上がりません。スピードを増すためには筋速度が増すトレーニングが必要なんです。パワーがあるのに今ひとつヘッドスピードが出ない。もし、この手の悩みを抱えているならば、負荷が少ない軽いクラブでスピードアップを狙った練習をしてみてはいかがでしょうか? マーク金井は初代のエッグバードを使うことで、ヘッドスピードを52m/sまで上げることを密かに狙っています〜。
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