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ボールを打ってもスイングは良くならない

打ち放題の練習場に行くのは「ゴルフ上達」のためには得策ではないとハッキリ書きました。大事なことなので繰り返しますが、打ち放題に行くと大半のゴルファーは100球よりは150球、200球よりは300球という風に……一定時間内に数多くのボールを打とうとします。1時間打ち放題で、10球だけしか打たない人はまずいません(笑)。

 

恐らく、このメルマガを読んでいるゴルファーの中にも、沢山のボールを打つことが練習の主目的になっているのでは? ボクの周りにも「今日は500球も打った!」なんて球数(練習量)を自慢する人も少なからずいます。

 

言い換えると……球数を増やせば「自分のスイング」を築けると思っていたり、悪い癖が矯正されると思っている人が圧倒的に多いはずです。

 

しかし現実はどうでしょう?

 

10年前ぐらいから打ち放題の練習場が増えましたが、アマチュアのハンデキャップが大幅に減ったとか、シングルの数が増えてきたという声は聞かれません。10年前に比べるとクラブはかなり進化し、プロ、アマチュアを問わず飛距離は確実に伸びています。にもかかわらず……昔も今も「100がなかなか切れない」「ハンデ10の壁を乗り越えられない」で悩んでいるゴルファーが巷に溢れています。また、スライスやチーピンに悩んでいる人の数も相変わらずです(その証拠に、大半のゴルフ雑誌は、100切り、脱スライス、脱チーピンといったレッスン記事が非常に多い)。

 

打ち放題の出現でゴルファーの球数(練習量)が増えたのに、上手くならないのはなぜでしょうか?

 

球数(練習量)を増やすことと、スイングを良くすることの間には因果関係が無いからです!

 

ボールをたくさん打ってスイングが良くなる(上手くなる)人もいますが、そういう人は非常に希なケース。大抵の人は、たくさん打てば打つほど、悪いスイングが定着化します(癖になります)。理由は単純、ボールを打てば、打った直後に結果が見える。このため、スイングを変えることよりも、ボールをちゃんと打ちたい(芯で捕えたい)ことに意識が向かうからです。空振りしていいからとか、ちょろを10発続けてもスイング(動き)を変えようとする人は、まずいません。

 

具体的に言うと、アウトサイド・イン軌道でカット打ちする人は、ボールを打てば打つほどアウトサイド・イン軌道でカット打ちする度合いが定着されます(プロ、インストラクターについて習っている人、自分のスイング画像を定期的にチェックし、客観的に分析できる人を除き)。アナライズには1000人以上のアマチュアのスイングが保存されていますが、練習量の多さとスイングの習熟度はほとんど比例していません。むしろ、ボールをたくさん打っている人ほど、スイングに重大なエラーを抱えている場合があったりします。

 

前置きが長くなってスミマセンm(_ _)m
では、どんな練習をすれば上達につながるのか?

 

例えば、テークバックでヘッドがインに動き過ぎるのが原因で、トップでシャフトがクロスしているのならば、ボールを打つことよりも素振りをして下さい。それもただ素振りをするのではなく、自分のやっていることが正しいかどうか客観的にチェックしながら(ビデオやデジカメでチェックする)。

 

当たり前過ぎて拍子抜けしたかも知れません。しかし、ボールをたくさん打つことよりも素振りした方がスイング(動き、形)を変えられます。1時間で200球打つだけのエネルギーがあるならば、1時間100回でいい。新しい動きを身につけるための素振りを真剣にして下さい。そして最初と最後のスイングを見比べ、どれぐらい動きが変わっているか客観的にチェックする(これがものすごく大事!)。

 

察しのいい人は、もうお分かりでしょう。

 

そうです、練習で一番大事なことは練習前と練習後、いわゆる「ビフォー、アフター」で明確な差を出すこと。例えば、テークバックでヘッドがシャフトプレーンよりも30センチ、インサイド方向にに外れているならば、練習後にはヘッドはプレーンから外れる度合いは20センチになっている……練習前と練習後で、「スイングをどれだけ変化させられるか」が、本当の意味での練習。そして、これが上達につながるし、努力が報われることになるのです。

 

もちろん、正しいスイングを身に付けるには素振りの仕方にもそれなりの工夫が必要です。上達につながる素振りの仕方については、次回じっくり説明しましょう。


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