ヘッド形状、ロフト、長さ、硬さ‥‥。ドライバーを購入する場合、いくつかのチェックポイントがありますが、スペックを決める時に「振った時の重さの目安」となるバランス(スイングウェイト)にこだわるゴルファーが結構います。例えば、「D0がちょうどいい」と思ったら、新しいドライバーも「D0」にしたがる人がいます。
さて、このバランス。昔と違って現在は、クラブの重量(総重量)のバリエーションが豊富です。このため、バランスにこだわってクラブを選んでも、振り心地は同じになりません。また、バランスにこだわり過ぎると‥‥クラブ選びを失敗するリスクがあります。
理由を簡単に説明しましょう。バランス(スイングウェイト)はかなり昔に考えられた理論で、グリップエンドから14インチの場所を支点にして、ヘッド側とグリップ側のバランスを測定した数値です。グリップ側に対してヘッド側が重くなるほどバランスが重くなり、ヘッド側が軽くなるほどバランスが軽くなります。ヘッド、シャフト、グリップに大きな重量の差がない時代は、バランスを同じに揃えれば、振った感じが同じになりました。
しかし現在のドライバーは(他のクラブも)、ヘッド、シャフト、グリップの重量の幅が非常に広がっています。加えて、長さのバリエーションも豊富。このためクラブ重量が285gでも325gでも「D0」に仕上げられます。この重さが40gも異なる2本が同じ振り心地になるかと言えば‥‥そんなことは絶対にありません。ほとんどの人は325gのドライバーの方が、振った時に重く感じてしまいます。
ヘッド、シャフト、グリップの重量バリエーションが豊富な今、バランス値よりも大事なのは、「クラブ重量」です。例えば、40歳前後ならば295~315g、50歳以上ならば285~305g。この範囲の中で「振り切れる範囲で重いクラブ」を選んで下さい。そして、バランスは数値にこだわらず、あくまで参考程度に止めておいた方が、自分にちょうどいい振り心地のドライバーを選べます。
そしてクラブの重さが決まった後に、バランスが少し軽いと感じるならば、ヘッドに鉛を少し貼るといいでしょう。クラブの重さを先に決め、後からバランスを調整すればいいのです。