クラブの重さはゴルファーに少なからず影響を与えます。軽いほどヘッドスピードを上げやすくなりますが、反面、軽過ぎるとトップが浅くなったり、手打ちになる危険性が増します。対して、重いほど体をしっかり使ってスイングできますが、反面、ヘッドスピードを上げづらくなります。
飛距離と安定感のバランスを考えるならば、振り切れる範囲、ヘッドスピードが落ちない範囲で重いクラブをお勧めします。35~55歳の一般男性ならば、45インチで305g±10gの重さを選択すれば、適度に重さを感じながらスイングできます。これはヘッドスピードが男性アマチュアと同じぐらいの女子プロが使っているドライバーとほぼ同じ重量です。
そして重さに関して注意したいのが、長さと重さの関係。例えば、同じ300gでも長さが45インチと47インチを比較すると、誰でも47インチの方が「重く」感じます。長くなるほどヘッドが効いた感じになるのと、長くなるほど「クラブ全体の慣性モーメント」が大きくなって、振りづらくなるからです。これまでドライバーを試打した経験値から言うと、ゴルファーは1インチ長くなると10g前後、2インチ長くなると20g前後重く感じます。逆に、1インチ短くなれば10g前後軽く感じます。ドライバーをわざと短く持つと振りやすいと感じるゴルファーが少なくありませんが、これは短く持つことで「クラブ全体の慣性モーメント」の数値が下がるからです。
ですのでドライバーの重さをチェックする場合、実際の重さではなく45インチに換算して重量を知ることです。例えば46インチで290gのドライバーならば、45インチ換算すると300g前後。44インチで290gならば45インチ換算すると280g前後になります。同じ重さでも長さが2インチ異なると、体感的には20g前後重さのフィーリングが異なってきます。
大ヒットしているゼクシオはモデルによって長さが異なっていますが、45インチ換算にして重量を調べると、どのモデルもほぼ同じ。これはモデルチェンジごとに買い換えるユーザーが、「同じ振り心地」でスイングできる配慮がなされているのだと思います。