ドライバー同様、アイアンも薄肉フェースを採用したモデルが増えてきました。今どきのアイアンはフェースの厚みが2ミリ前後。これはドライバーのフェース面よりも薄いぐらいです。実際に試打してみても弾き感が非常に強く、ボール初速が上がっているのが手に伝わってきます。
そして、今どきのアイアンはロフトも立っています。例えば5番のロフトを比較すると、10年前は26~28度でしたが、今どきのアイアンは23~25度。何のためにロフトを立てるかと言うと、7番アイアン以下の飛距離アップが目的です。ドライバーもアイアンも、ロフトを立てた方がスピンが減ります。ボールも上がり過ぎません。アイアンの場合、スピンが減るとボールが止まりづらくなりますが、ボールが前に飛ぶ分だけ飛距離を稼げます。
ただし、ロフトを立てるとデメリットも発生します。アマチュアの場合、6番ぐらいまではなんとか打てても、5番よりも上はロフト不足が原因で、物理的にボールが上がってくれません。キャリー不足が発生し、5番でも6番と同じぐらいしか飛ばない危険性が生じてくるのです。
加えて、ロフトが25度を下回ると、構えた時に「ボールが上がる」イメージは出ません。今の5番は昔のロングアイアンと同じロフト。腕が衰えてなくても、難しく感じるクラブになってしまっているのです。
クラブ本数は14本以内とルールで決まっていますが、その構成に決まりごとはありません。6番まではイメージ通り飛ぶんだけれど、5番が打ちづらい、飛距離も出づらい‥‥と感じているならば、思い切ってクラブを取り換えましょう。
5番の代わりにロフト24度前後のユーティリティーを入れれば、やさしく飛距離を稼げます。アイアンに比べるとユーティリティーはヘッドに奥行きがある分だけ、重心が深い。重心が深いことでボールが上がりやすくなるからです。加えて、アイアンよりもユーティリティの方がミスに強いし、グリーンに止まる球も打てます。
すでに女性用アイアンセットは、7番からが当たり前になっています。アイアンのストロングロフト化に歯止めがかからないことを考えると、男性用アイアンは6番からが「当たり前」な時代がすでに到来しています。