さて、このドライバー。ゴルファーのプレースタイルに合わせて「大きさ」を選ぶことができますが、もし貴方が飛距離を求めるならば、フェースが面長で、投影面積が大きいヘッドをお勧めします。このタイプは慣性モーメントが大きくて、重心距離も40ミリ以上と長いからです。
では、なぜ大きいヘッド(重心距離が長い)方が飛びに有利なのか?
インパクトゾーンでヘッドは反時計回りに回転しています。このため重心距離が長い方が、シャフトを軸としたヘッド速度(重心部分の速度)が早くなってきます。このため、シャフトを動かすスピードが同じ場合、重心距離が長い方がヘッドスピードが上がるからです。
もうひとつの要素が慣性モーメントの大きさ。慣性モーメントが大きいヘッドはヘッドが回転しづらいですが、上手く回転させると大きなエネルギーが出ます。このため、慣性モーメントが小さいヘッドよりも当たり負けしません。インパクト時のエネルギー効率が高くなる分だけ、ボール初速が上がり、それが飛距離アップにつながってくるのです。
団扇をイメージしてください。小さい団扇より大きい団扇の方が風を多く発生させられますよね。これと同じく、ドライバーの場合も大きい方がエネルギーが出るのです。
もちろん、前回も説明したように重心距離が長い大型ヘッドには「捕まりづらい」、「ボールを左右に曲げづらい」等のデメリットもあります。しかし、ヘッドスピードが46m/s以下のアマチュアゴルファーの場合、そのデメリットを差し引いても、エネルギー効率が高い大型ヘッドを使った方が、クラブで飛距離アップを狙えます。
パワーがあって、自分でヘッドスピードを上げられる人は、自分の打ち方に道具(クラブ)を合せた方がいいでしょう。でも、そうでない人が飛距離アップを狙うならば、道具(クラブ)に自分を合わせる。重心距離が長い大型ヘッドを今から使いこなせば、50歳を越えても、60歳を越えても飛距離を伸ばすことが可能です。