さて、このFWの方向性の乱れ。スイングに問題がある場合もありますが、クラブが少なからず影響している場合も少なくありません。
ご存じのように、ドライバーに比べるとFWはヘッドが小ぶりですから、つかまりに影響が出る重心距離が短めです。具体的に言うと、体積460CCのドライバーの多くは重心距離が38~44ミリ。対して、一般的なFWの多くは重心距離が32~34ミリ。FWの重心距離はドライバーよりも5ミリ以上短くなっています。このため、ドライバーとFWを同じスイングで打つと、FWの方が重心距離が短い分だけヘッドが返り過ぎてしまい、それが原因で引っかけが出やすくなるのです。特に、ドローが持ち球の人の場合、ドライバーが調子いい時ほど、FWでは左に曲がる度合いが強くなります。
では、どんなFWを使えばつかまり過ぎを修整できるのか?
ドライバーほど巨大なFWが市販されていないことを考えると、重心距離を揃えることは非常に難しいです。つかまり過ぎを軽減するためにこだわりたいのはフェースアングル。例えば、スクエアフェースのドライバーを使っているならば、FWはフェースが少し右を向いたもの(1~2度オープン)を選ぶ。ドライバーよりもFWの方がフェースが右を向いていれば、フェースの向きでつかまり過ぎを軽減でき、ドライバーと同じ球筋が打ちやすくなります。
そして、FWの方向安定性を求めるならば、弾道調整機能が付いたFWがお勧めです。モデルによって調整幅が異なりますが、シャフトとヘッドを脱着できるタイプの場合、フェースアングルを簡単に±1~2度ぐらい変えられます。そしてこのタイプならば、ドライバーを買い換えたとしても、フェースアングルを自分で簡単に調整することが可能です。例えばドライバーがフックフェースならば、FWはスクエアフェースに調整するなど、フェースアングルを最適にフローできます。
弾道調整機能というとドライバーというイメージがありますが、実はドライバーよりもFWの方がそのメリットをフルに活かせるのです。