キャロウェイのX-HOTと、PINGのG25だと「本当はどっちの方が飛ぶんですか?」
この手の質問とホント良く受けます。また、ゴルフ雑誌の多くはそんなユーザーの興味(期待)に応えるべく‥‥試打者の評価だけではなく、弾道計測器を使って実際の飛距離を表記しています。
さて、このドライバーの打ち比べ。ボクも「人間試打マシーン」とか呼ばれ、年間200~300本打っています。そしてもちろんのことですが、打ち比べればメーカー、モデルに飛距離の差が出ます。例えば10本打ち比べれば、一番飛ぶのと一番飛ばないのとでは5~10ヤードぐらい違ってきます。そして、試打してひしひしと感じるのがスペックの重要性。スペックとは、
・クラブ全体の重さ
・パーツの重さ(ヘッド、シャフト、グリップ)
・クラブの長さ
・ロフト(正確にはリアルロフト)
・フェース向き
・重心位置(重心距離、重心高、重心アングル)
のことです。
これらが自分に合っていれば「飛ぶドライバー」になり、これらが自分に合ってなければ「飛ばないドライバー」になります。言い換えると、モデルの差によって発生する飛距離差よりも、スペックが「合う、合わない」ことによって発生する飛距離差の方が大きいと感じています。
ではスペックのどこにこだわれば、飛ぶドライバーを手に入れられるのか?
スペック選びで一番大事なのは重量です。シャフトが重いスチールだけの頃は、ドライバーの重量は350g以上あって、アマチュアには重過ぎました。ところが今は重量バリエーションが実に豊富。カーボンシャフトの登場により250g~320gぐらいまでのドライバーがゴルフショップに並んでいます。
結論から先に言うと、
軽いほど=ヘッドスピードがアップします。
重いほど=スイングが安定します。
飛ばすだけなら軽い方が有利に感じますが、実際はそうは問屋が卸してくれません。軽過ぎるドライバーを使うとテークバックが手打ちになりますし、コースに出た時に曲がりやすくなる。対して、重いドライバーを使うと軌道は安定する反面、ヘッドスピードが確実に落ちてきます。例えば重量を15g重くすれば、大抵の人は1m/s以上ヘッドスピードが落ちます。
抽象的ですが「振り切れる範囲で重い」クラブがベストです。そして適正重量を知るためには、ゴルファー自身が実際に軽いクラブと重いクラブを打ち分けてみること。理想は同じヘッドで、同じ長さ。それで重いクラブと軽いクラブを打ち分けてみる。
・自分のパワーを出し切った時にヘッドスピードが落ちない
・ミート率(打点位置)が安定している
この2つの要素が満たされているのが、その人にとって適正重量です。例えば、ボクの場合、45インチだと315~320gがちょうど良く、どのモデルでもこの重さに揃えると、ヘッドスピードとミート率のバランスが良くなります。実際、市販クラブを試打した時も、重さがこれに近いほど飛距離が出て、方向性も安定します。あるメーカーなどは、ボクにちょうどいいスペックをわざと送ってきたりします(笑)
ちなみに「振り切れる範囲で重い」目安は(長さ45インチ)
40歳以下 310g±10g
40~50歳 305g±10g
50~60歳 300g±10g
60歳以上 290g±10g
ゼクシオを含め、市販ドライバーの多くは300gを切っていますが、これはアベレージ向けドライバーの対象ユーザーは、団塊の世代(60歳以上)だから。もちろん、団塊の世代でもパワーがあればわざわざ軽いドライバーを使う必要はありません。パワーに応じて少し重くした方が飛距離が伸びて、方向性も安定してくるでしょう。次回はヘッド重量の重要性についてお話しましょう。
ちなみに、弊社で販売している。シャフトスタビラーザーはグリップ側の重量なので、ヘッドスピードはほとんど落ちませんので安心してご使用下さい。(逆にミート率がアップして、飛距離が増える方がほとんどです!!)