ドライバーの次に飛ばせるクラブと言えばフェアウェーウッド(FW)の3番です。クラブメーカーもそのことは心得ており、最近は「スプーン(3W)で300ヤード飛ばせる」や、飛距離性能を全面的に打ち出しているFWがゴルフ雑誌等で紹介されています。
さて、飛距離性能を全面に謳ったFW。従来までのFWと比べてどこがどう違うのか?
一番の違いは重心の深さです。ドライバー並の飛距離性能を誇るFWに共通しているのは重心を意図的に浅く、そして重心位置が低いのが特徴です。スイートスポットの位置がフェース中央付近にあるため、地面から打った時でも芯で捕えやすくなる分だけ反発が上がり、ボール初速を稼げます。加えて、芯で捕えるとヘッドがブレません。縦のギア効果が働きづらくなる分だけスピンが減り、飛距離を稼ぎやすくなるのです。ドライバーがそうであるように、FWの場合もスピンを減らせるクラブの方がランが出るので距離が出ます。
ただし、浅い重心のFWはパワーがないとボールが上がりません。ヘッドスピードが遅い人や、FWが苦手な人の場合、スピン不足が原因でキャリーが出づらくなります。言い換えると、飛びを全面にアピールしているFWは、それに反比例してボールが高く上がりづらいFWなのです。他方、深い重心のFWは飛距離性能では劣るものの、ボールが上がりやすいのが特徴。重心が深くなるほど高重心になるため、上手く捕えてもスイートスポット位置よりも下側ヒットします。結果、縦のギア効果が働く分だけスピンが増え、キャリーが出やすくなってきます。言い換えると、やさしく上がるFWを作った場合、パワーヒッターやプロが使うとスピンが増えすぎて扱いづらい(飛ばしづらい)FWになります。対して、飛びに有利なFWを作った場合、非力なアマチュアにとっては難しい(高く上がりづらい)FWになってしまうのを避けられません。
FWやドライバーと言ったウッド系クラブの場合、ボールが上がる上がらない、飛距離が出る出ないは、重心の深さと、重心の高さで決まります。重心を浅く低くしたFWは300ヤード飛ばすのに効率がよいクラブですが、ヘッドスピードが遅い人が220ヤード飛ばすのには非効率なFWになる危険性があります。ヘッドスピードが遅めな人や、FWが苦手の人の場合、プロが使ったらあまり飛ばないFWを使った方が効率良く飛ばせるし、FWを得意クラブにすることができるのです。