寒さが本格的になってきたこの時期、ドライバーやアイアンはキャリーの距離が落ちてきますが、反面、地面が硬い分だけランで距離を稼げます。そして、グリーンも夏と冬ではガラッと状態が変わります。最低気温が0度を下回ってくると、グリーン表面は霜が降りて凍ってきます。そして、凍ってしまうと霜の影響で見た目よりも転がりが遅くなります。日が昇り、霜がとけてくれば今度は霜のどけの影響でグリーンは凸凹してきます。
さて、この冬場グリーン。どんなパターを使えば、距離感、方向性が良くなるのか?
ゴルフショップには様々なタイプのパターが売られてますが、冬場に一番こだわりたいのはロフト角。パターはボールを転がすクラブだからロフトは少ない方が良いと思われがちですが、それは大きな勘違いです。例えば、ロフト0度のパター。床の上や練習用パターマットならば0度でも問題ありませんが、ゴルフ場のグリーンで使う場合、0度のパターは方向性、距離感が安定しません。グリーン上のボールは芝の上に浮いているように見えますが、実際はボールの重みで少し沈んでいます。このためロフト0度だと、グリーン表面の凸凹の影響を受けて、打ち出し直後に跳ねやすくなります。グリーン上では、ロフトが少しあった方が打ち出しでボールが芝の上に浮き、その分だけ転がりが良くなるのです。
そしてロフトについて説明を加えると、冬場の凍ったグリーンではロフトが多い方がスムーズに転がり、距離感、方向性も良くなります。夏場に比べると、凍った冬場は霜の影響でグリーン上の凸凹が大きい。ロフトが多ければ、アイアンでランニングアプローチを打った時のように少しキャリーが出ます。結果、打ち出し直後に凸凹の影響を減らせる分だけ、スムーズにボールが転がります。対して、冬場にロフトが少ないパターだと、打ち出し直後に凸凹の影響を強く受ける分だけ、転がりが不安定になってしまいます。
確実に決めたいショートパットで、打った直後にボールが思わぬ方向にブレてしまう。凍ったグリーンでこの手の経験があるならば、パターのロフトを増やしましょう。ロフトが6度以上のパターを使えば、冬場でも転がりの良いパットが打ちやすくなります。