昔と今のドライバーを比べた場合、まず違いを感じるのがヘッドの大きさです。10年前は体積350CCでも「デカヘッド」と言われてましたが、最近では400CCが「小ぶりなヘッド」。460CCが当たり前です。この10年で30%以上ヘッドが大きくなりました。
次に、スペックが変わったのがシャフトの重さと硬さです。メーカーの多くはモデルチェンジごとにシャフトを軽く、軟らかく作る傾向があります。ドライバーの場合、かつては300gが軽量でしたが、今では285g以下も増えてきました。硬さについても、アベレージ向けドライバーの場合、今どきのSは10年前のRとほぼ同じ硬さです。メインユーザーである団塊世代の高齢化に対応すべく、シャフトを軽く、そして軟らかくしているのです。
誤解されがちなのですが、シャフトの硬さについては基準はないのです。例えば、同じメーカーのドライバーでも、アベレージ向けのSの設定は軟らかく、アスリート向けのSは設定が硬めです。10年のSの振動数は260cpm前後が平均でしたが、2012年のアベレージ向けのSは235cpm前後。アスリート向けのSで250cpm前後です。このため、アベレージ向けのSはアスリート向けのRと同じか、Rよりも軟らかい場合があります。SとかRという表記を見ても「シャフトの硬さは何も分からない」というのが現状です。
ですので、シャフトの硬さについては「自分はSでちょうど良い」と決めつけたり、「パワーが落ちたからRにする」と考えるのは、あまり好ましくありません。RとかSというのは、メーカーの中で統一基準を定めているのではなく、それぞれのモデルの中で、「硬い方がS、軟らかい方がR」ということです。
例えば、大ヒットしているダンロップのゼクシオ。ダンロップにはアスリート向けでスリクソンがあります。ゼクシオのSとスリクソンSを比較すると、同じSとは思えないほどスリクソンのSは硬く作られています。
今どきのドライバーはヘッドスピードが40メートルでも使いこなせるSもあれば、45メートル以上でないと使いこなせないSもあります。購入候補のドライバーが決まったら、まずはSとRを打ち比べ、自分が扱いやすい方の硬さを選んで下さい。手間がかかりますが、現状ではそれが硬さ選ぶ一番確実な方法です。