「FWは難しい」と感じているならば、今使っているFWのシャフトの重量をチェックして下さい。ドライバーと同じか、ドライバーよりも軽いシャフトを使っているならば、ミスの原因はクラブにもあります。FWはロフトが少し多めでシャフトを少し重くする。これだけでずいぶんと打ちやすくなりますし、ミスショットも確実に減らせます。
ではヘッドでは、どこにこだわればいいのか?
ヘッドに関しては、やさしさを求めるのか、飛距離性能を求めるのかで選び方がガラッと180度変わります。
まずやさしさを求めるならばポイントは3つ。
・とにかくフェースが薄べったい(シャローフェース)
・とにかくヘッドが大きい(投影面積が大きい)
・とにかくフェースが出っ歯になっている(フェースプログレッション大)
FWのやさしさとは「ボールの上がりやすさ」です。FWが苦手な人はボールがちゃんと上がらないのが悩みの種だからです。フェースが薄い方が見た目にやさしく、スピンもかかりやすいのでボールが上がりやすい。シャローフェースなほどすくい打ちのミスも出づらくなります。投影面積が大きいFWは見た目に安心感あり、物理的には慣性モーメントが大きくなりやすい分だけ、ミスヒットにも強い。そして、最後のフェースブログレション。出っ歯は見た目に構えづらいですが、フェースが前に出ている方がボールを広いやすい分だけボールが上がりやすくなるからです。
具体的なモデルとしてはマルマンの歴代シャトル&シャトルエースシリーズは、上記の3つの要素がすべて盛り込まれ、非常にやさしいFW。純正シャフトが非常に軽い(50g以下)ので対象ユーザーが非力な人や女性に限られますが、やさしさは群を抜いています。やさしいFWを求めるならば、中古で歴代シャトルを購入して60~70gのシャフトにリシャフトするのもありです。他ではプロギアのeggシリーズやマグレガーのマックテックもやさしいFWの代表格です(いずれもシャフトが軽いので、一般アマチュアが使うには、リシャフトが必要)
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次に、飛距離性能を求めるならば、中古のFWがオススメ。ツアープロの使用率が高い旧モデルのFWはぶっ飛び指数が高いです。具体的に言うと、キャロウェイの初代スチールヘッド、2代目スチールヘッド+。テーラーメイドのファイアーソール、初代Vスチール、、初代バーナーTP。クリーブランドの初代ハイボア。ナイキのT40ツアー。
これらのFWに共通しているのは、とにかく重心が低いこと。ドライバー同様、FWも低重心なほどスピンが減り、放物線弾道で飛距離を稼げます。ただし、低重心に作るほどボールが上がりづらく(スピンがかかりづらいために)、難易度が増してきます。このため、多くのメーカーはモデルチェンジのたびに低重心の度合いを減らす傾向にあり(ボールを上がりやすくするために)、最近のモデル、そして新製品では低重心に作られるFWが非常に少ないです。ツアープロが昔のFWを長く使うのは、昔のモデルの方が「飛ぶ弾道を打ちやすい」ことを肌で感じているからです。
しかし最近、この飛ぶ弾道を打てるとプロで話題になり大ヒットしたのがロケットボールズです。古いFWをロケットボールズに乗り換えたプロが多く出ました。しかし、道具を変えることに抵抗があるプロも多くいて、まだ古いFWをバッグに入れている場合もあります
そして、ここからは裏技。FWをセッティングする場合、番手によってわざとクラブの性能を変えてやるのもアリです。
例えば、3W、5Wはボールをやさしく上げたいならば「シャローで出っ歯」なタイプをチョイス。オートマチックにボールが上がってくれる7Wは「ディープで低重心」タイプをチョイスする。7Wだけ吹き上がらないタイプを使うことで、吹き上がりづらい弾道を手に入れられ、風に強い弾道を打つことができます。そして、こういう場合もシャフトだけは、ちゃんと同じタイプ、重量フローを意識してリシャフトする。
ヘッドが異なってもシャフトがちゃんと揃っていれば、番手の流れが崩れることはありません。それぞれの番手で個性を活かしながら、かつ全体の流れを良くできます。
中古ショップに行けば、プロが使っているFWも1万円以下で手に入れることも可能です。リシャフト前提でお買い得な中古FWを購入。FW選びは、これが一番賢い選択だとボクは思います。