スペック選びで一番大事なのは重量です。ヘッドスピードを上げたい(=飛ばすだけなら)クラブは軽い方が有利に感じますが、実際はそうは問屋が卸してくれません。自分のパワーよりも軽過ぎるドライバーを使うと、テークバックで体をしっかり使えません。クラブが軽いと手先だけでヒョイと上げてしまいやすくなるからです。
加えて、軽過ぎるクラブに馴れてしまうと体をしっかり使って振り切りにくくなり、手打ちを助長します。結果、「スイングの老化現象」を引き起こすことにもなるのです。
大事なことなので繰り返しますが、ドライバーからウエッジまで「振り切れる範囲で重い」クラブが本人にとってベストなクラブです。例えば、ドライバーの場合だと、目安は(長さ45インチ)
40歳以下 310g±10g
40~50歳 305g±10g
50~60歳 300g±10g
60歳以上 290g±10g
ぐらいです。
そして重さについてもう少し話を掘り下げると、クラブ重量と同じぐらい大事なのがヘッド重量です。
昔のドライバーはどのモデルも長さが一定だったので(43インチ前後)、ヘッド重量は200g前後でした。ところが現在のドライバーは長さのバリエーションが豊富になったため、ヘッド重量にかなり幅があります。市販ドライバーのヘッド重量を調べてみると‥‥
188~203g
一番軽いヘッドと一番重いヘッドを比較するとその差は15g。たかが15gと侮らないで下さい。15g変わればヘッド重量が7~8%変化します。これは看過できる数値ではありません。軽いヘッドと重いヘッドを比較すれば、反発力に差が明らかに出ます。今のドライバーはルールで高反発フェース規制されていますが、反発力が同じフェースを採用しても、軽いヘッドよりも重いヘッドの方が反発力が増し、ボール初速が上がってきます。物理的にはヘッドは重ければ重いほど、飛びに有利です。
ただし、重いヘッドもメリットばかりではありません。クラブ重量同様、ヘッド重量も重くなるほど振りづらくなってヘッドスピードが落ちてきます。例えば、同じ長さで振り比べた場合、(シャフト、グリップ重量は同じ)、ヘッド重量が190gと200gとでは、後者の方がヘッドスピードが落ちてきます(ただし、ヘッドが重い分だけ反発力はアップする)。
抽象的ですが「振り切れる範囲で重い」ヘッドがベストです。そして適正ヘッド重量を知るためには、ゴルファー自身が実際に軽いクラブと重いクラブを打ち分けてみること。理想は同じヘッドで、同じ長さ。それで重いクラブと軽いクブを打ち分けてみる。
・自分のパワーを出し切った時にヘッドスピードが落ちない・ミート率(打点位置)が安定している
この2つの要素が満たされている範囲で重いのが、その人にとって適正ヘッド重量。そしてパワー(腕力)がある人ほど重いヘッドと相性が良く、パワー(腕力)がない人ほどヘッドを少し軽くした方が相性がいいです。ちなみに、一般男性の場合目安としては‥‥
194~202g
ぐらいが適正ヘッド重量の目安です。
市販品では、テーラーメイド、マグレガー、タイトリスト913シリーズなどは、ヘッド重量の調整が可能です。その中でもボクがお勧めしたいのがテーラーメイド「r7 425」中古ショップに行けば1万円以内で購入可能ですし、ヘッドの挙動もニュートラル。少ない投資で、適正ヘッド重量を調べることができます 。もちろん、アナライズでボクのフィッティングを受けていただければ、適正ヘッド重量をお知らせします。
ちなみにボクの場合はヘッド重量が200~202gがちょうど良く、195gだとヘッドが軽くて当たり負けした感じになります。コースに出た時に、軽い球になってしまいます。逆に203gを越えてくるとクラブを短めに作っても、ヘッドの重さに負けてしまい振り遅れたり、ヘッドスピードが落ちてきます。