このインプレッションは、2013年1月に書かれたのものです。
今年はついに僕が開発したパターが発売される。開発しているクラブやシャフトには共通点がある。一つはスイングが良くなる、ゴルフが上達する要素が必ず入っていること、もう一つは今まで誰も作っていないもの、この2点だ。自分でクラブを開発すると、市販しているもので面白い試みをしているクラブが気になってくるから不思議だ。今回も中古ショップで見つけたのは、ベティナルディのPX-BLADE MIDというパター。
当時ベティナルデイというと、パターの名手芹澤信雄、そして今をときめく藤田寛之というチーム芹沢が使っていて、かなり人気があったメーカー。このパターも当時57000円もしていたが、今や中古で9800円。中尺だけど38インチと少し短めで、ルールで規制される見込みのアンカリングは関係ない長さ。このパターは2006年発売とかなり前になるが、当時は通常のパターよりちょい長いく、今の中尺よりもちょっと短い、プチ中尺が流行っていた。横峰さくらがホワイトホット2ボールの中尺パターを短く(37インチ)して使っていて、日本では第一次中尺パターブームが起こった年だ。
プチ中尺パターのメリットは、ヘッドが大型化できること、あとシャフトやグリップが重いので、慣性モーメントが大きくなる為ミスヒットに強くなる。アンカリングしないので通常の長さのパターと同じようにストロークできるので気軽に試しやすく、中尺のメリットの大きな慣性モーメントのメリットを簡単に実感できることだろう。
さてこのベティナルデイ、中尺には珍しくクランクネックで、形状的には僕が長年使っていたオデッセイの2ボールブレードっぽい形状となっている。ピン型はクランクネックが命。このパターはもともと定価57000円もするだけあって、シャフトとクランクネックのオフセット具合が、絶妙でさすがベティナルデイと思える仕上がり。
フェースのハニカムミーリングもベティナルデイならでは、柔らかい打感で吸い付くようとはこのこと。ロフトがしっかりついているのもおすすめポイントだ。ロフトが多いとスクエアに見えにくいが、しっかりコストが掛かって作られているので、違和感なく仕上がっている。構えてみると2ボールブレードでいえばマルの部分が逆カマボコ状に凹んでいて、非常にまっすぐストロークするイメージが出しやすくなっているのも手が込んでいる。
僕は最近パターはヘッド重量が重くなりすぎと感じている。プロの試合のグリーンぐらい速いグリーンならいいだろうが、ヘッドが重すぎてもストロークしにくいもの。ヘッドが重すぎる場合、グリップ側の重量を重くすると、ストロークが劇的にしやすくなる。中尺パターはヘッド重量が重い、しかし中尺パターのグリップは長さがあるぶん結果的に重量が重くなるため、カウンターバランス効果が
出てストロークしやすい。僕が開発しているパターのグリップも少し長めのグリップで、重さは115gと通常の中尺用(80g前後)よりかなり重くしている。
察しの良い方はお気づきだろう、グリップ側を重くするのは、アナライズで1万本以上売ったシャフトスタビライザーと同じ効果がある。グリップにシャフトスタビライザー機能を持たせて装着している。シャフトスタビライザーは残念ながら少し高価。シャフトスタビライザーみたいに重さが選べないが、皆さんのパターも、このグリップに変えることで手軽にこのスタビライザー効果を実感して貰
えるはず。僕のパター用に開発したグリップだけど、もちろんグリップ単品での販売していくつもり
このグリップの特徴はもうひとつある、中尺、長尺用のシャフトの手元の径は太いので、市販の中尺、長尺用グリップはそれに合わせて内径が太くなっている。普通のパターに装着したらシャフトとグリップに隙間ができてカッコ悪い。僕の開発したグリップは内径を狭くして普通のパターに装着してもピタっとくる。このグリップが出来上がったらベテイナルディのパターにも、入れてテストしてみ
たいと思う。