スピンの鍵を握っているのは摩擦です。インパクトでフェースとボールとの間に摩擦が強く生じるほど、ボールにスピン(バックスピン)がかかり、グリーンで止まる球が打てます。摩擦係数が上がる道具を使えば、アマチュアでもキュキュッと止まる球が打てます。
かつては摩擦係数を上げるためにフェースに刻まれた溝の角を尖らせたSWもありました。しかし現在は、ルールで尖った溝は規制されています。溝でスピン性を高めることはできません。
では、どんなSWを選べばグリーン上でキュキュッと止まる、スピンが利いた球が打ちやすくなるのでしょうか?
摩擦を増やす要素として、ロフトとバウンスがあります。例えば、ロフト56度と58度を比較すれば、58度の方がスピンが強くかかります。ロフトは球を高く上げるだけでなく、摩擦係数を高める役割も果たしているからです。
バウンスについては、ローバウンスよりもハイバウンスの方が、スピン性能が高くなります。ローバウンスの場合、ボールが高く上げやすい反面、摩擦係数を上げる要素が少ないからです。ハイバウンスの場合は、インパクトでヘッドはロフトが立つ方向に少し回転する(バウンスが利いているため)ので、ローバウンスに比べるとボールが低く出ますが、摩擦係数が高くなります。ロフトが立つ方向に回転することで、縦のギア効果が強く働くと言う事です。
例えばロフトが同じ56度のSW2本の、バウンスが8度のもの、バウンスが16度のものを打ち比べれば、後者の方がボールが低く飛び出し、スピンが強くかかります。
ちなみに、プロがローバウンスを使うのはフェースを大きく開いて使うことが多いから。58度のSWならば、ロフトを65度以上にして使っています。だから、ローバンスでもスピンが強くかかるのです。
そしてスピン性能を求めるならば、ボールにもこだわって下さい。カバーの軟らかい、いわゆるスピン系のボールを使った方が摩擦係数が上がり、スピンをキュキュッとかけやすくなるでしょう。