ただし、ロフトを立てると弊害もあります。5番ぐらいになってくるとロフトが足りないために、ボールが上がりづらくなります。アマチュアのヘッドスピードだと、6番まではなんとか打てても、5番よりも上はロフト不足が原因で、いい感じで打ってもキャリー不足が発生します。
メーカー側もそれがわかっているので、最近はアイアンセットから5番を省く傾向にあります。大ヒットブランドの「ゼクシオ」もアイアンは6番からPWまでの5本組。5番アイアンはオプション扱いです。
そこで、5番アイアンの代わりとなるのがユーティリティクラブ(以下、UT)。UTはアイアンよりも重心が深いのでボールが上がりやすいくやさしいです。5番の代わりにロフト24度前後のUTを加えれば、アイアンの6番よりも10~15ヤード程飛距離を稼げます。
さてそのUTの選び方。UTは大別すると、フェースがアイアン形状に近いアイアン型と、フェースがFW形状に近いウッド型の2種類に分けられます。どちらのタイプが自分に合うのだろうか、と考えたことはありませんか?
両者は見た目が違うだけでなく、捕まりに影響が出る重心距離も異なります。アイアン型UTは重心距離が36~42ミリと長めなのですが、UTに限らず、ゴルフクラブは重心距離が長い方がヘッドが返りづらいため、引っかかりづらい特性があります。左のミスを減らしたいフッカーには、UTはアイアン型の方が相性がいいでしょう。また、アイアンの流れで使いたい人にはアイアン型の方が構えやすいし、スイングしやすいです。
対して、ウッド型UTは重心距離が33~38ミリと短め。こちらはヘッドを返しやすいので、右へのミスを減らしたいスライサーと相性がいいUTです。そして、こちらはウッドに近い形状。アドレスした時に出っ歯の度合いが強いので、打ち込むよりも払って打つのに適しています。
7代目の「ゼクシオ」が6番からになったことで、これからは5番をアイアンセットから抜くモデルが一気に増えてくるでしょう。ロフト24度以下の5番アイアンは、アマチュアにやさしいクラブではありません。5番の代わりにUTを入れた方が、スコアを確実に縮めることができます。